右脳と左脳はバランスよく鍛えるのが効果的! オススメのトレーニング法も紹介

脳のトレーニングを効果的に行いたいと思ったときには、まずは脳に関する基本的な知識を身につけておく必要があります。特に「右脳」と「左脳」については、それぞれの役割や鍛える意味について知っておくと良いでしょう。脳トレ実践前に知っておきたい右脳と左脳の仕組みを、詳しく解説していきます。

右脳と左脳について、それぞれの役割

まずは右脳と左脳が、それぞれどのような役割を担っているのかについて、把握しておきましょう。

よく言われるのは、左脳が言語を、そして右脳が画像処理を主に担当しているという説です。またこのほかにも、右半身の運動や感覚を司っているのが左脳で、左半身の運動や感覚を担っているのが右脳となります。感情を司るのが右脳であり、理性的に記憶を処理するのが左脳だとも言われています。

とはいえ右脳と左脳は、脳梁という太い神経の束で結ばれており、それぞれの情報を積極的にやり取りしていることがわかっています。右脳と左脳がそれぞれ別の役割を担っているからこそ、どちらの情報も大切にして、総合的に活用できることこそが、人間にとっては理想的な状態だと言えます。

たとえば「地図を見て、ベストな道筋を予測する」ためには、右脳と左脳の両方をフル活用する必要があるでしょう。また物事を瞬間的に決断するのは右脳の役割だと言われていますが、その精度を上げるためには、左脳が過去に処理してきた記憶を、瞬時に引っ張り出すことが必要となります。

私たちは普段の生活の中で、右脳と左脳をバランスよく活用しています。「私は右利きだから、左脳優位で、右脳をもっと鍛えなければならない」と考える方もいますが、実際には、右利きだからといって、右手ばかりを使っているわけではありません。たとえば果物の皮をむくときには、右手でナイフを持ち、左手で果物を回転させるようにして、角度やスピードを調整する方も多いことでしょう。

脳のトレーニングを行うのであれば、右脳と左脳、どちらか一方だけではなく、両者をバランスよく鍛えることを意識し、効率アップを目指してみてください。

右脳と左脳をバランスよく鍛える方法

では具体的に、右脳と左脳をバランスよく鍛えるためには、どのようなトレーニング法を意識するべきなのでしょうか。効果が期待できる2つの方法を紹介します。

★利き手ではない方の手を、積極的に使ってみる

脳に刺激を与える方法はさまざまですが、「手を使う」というのも、その一つです。普段は右手と左手、どちらか一方の「利き手」を主に使っている方も多いことでしょう。反対の手で何かをしようとすれば、戸惑ってしまいます。

そこでオススメなのが、「利き手ではない方の手で、あえて作業を行ってみる」というトレーニング法です。文字を書いたりお箸を使ってみたりするのも良いですし、より手軽に、ドアノブをつかんで回す、スマートフォンで文字入力をしてみる、といった方法でも構いません。

最初はうまくできずに、モヤモヤすることもあるかもしれません。しかし上手にこなすため、非常に集中している自分に気付くはずです。脳にも新たな刺激を与えることができるでしょう。

★顔を見て、その人の名前を思い出す

人の顔を見て情報を処理するのは右脳の仕事で、その人の名前を言語化するのは左脳の役割となっています。「顔を見て、その人の名前を思い出す」という作業は、右脳・左脳それぞれがスムーズに動いているからこそ、こなせるもの。だからこそ、「年齢を重ねると共に難しくなってきた」と感じるケースも多いというわけですね。

脳は、使わなければどんどん衰えていってしまいます。「顔を見てその人の名前を思い出す」という作業は、手軽にできる上に、右脳と左脳をバランスよく使うことができるトレーニング方法です。テレビを見る時には、ぜひ目に入る芸能人の名前を思い出し、実際に周囲の人に伝えるようにしてみてください。


私たちは、普段の生活の中で右脳と左脳の両方を使っています。しかしどちらの方が得意なのか、また両者のバランスがどうなのかについては、個人差もあります。できればバランスよく両者を鍛えていくことで、双方の情報交換も濃密になり、記憶や行動、決断などもスムーズになると考えられています。右脳と左脳、両者の役割を知っていれば、刺激の与え方も見えてくるはずです。日常生活の中で、脳を活性化させるトレーニングを意識してみてください。

参考サイト

参考文献

  • 高田明和(2004)『高田明和の40歳から「賢い脳」をつくる「脳トレ」ノート』講談社