脳を効率よく働かせるためには、脳に良い習慣を積極的に取り入れていくと良いでしょう。しかし現実には、知らないうちに、脳に悪い習慣にとらわれ、そこから抜け出せなくなっている方も多いものです。
仕事や勉強、スポーツなど……ベストな結果を残すために、脳の活性化は欠かせないポイントとなります。そのためには、脳に悪い習慣を避け、脳に良い習慣を選ぶことが大切です。どのような習慣がそれぞれに当てはまるのか、わかりやすく紹介していきます。ぜひ自身の生活に活かしてみてください。
脳に悪い習慣について
まずは脳に悪い習慣をまとめます。思い当たる節があれば、ぜひ解消に努めてください。それが脳を活性化させるための、第一歩となります。
★運動不足
運動不足は、万病の元。そしてそれは、脳にとっても例外ではありません。運動不足に陥ると、全身の血流が悪くなります。脳を巡る血液の量も少なくなり、その働きが低下してしまうのです。
一方で、適度な運動を取り入れた脳は、脳細胞が増え、記憶力アップにつながることがわかっています。脳を鍛えたいときには、まず運動不足からの脱却を目指しましょう。
★不規則な生活
忙しい毎日の中、不規則な生活になりやすい方も注意しましょう。特に睡眠は、脳と深く関わっています。脳を休め、その機能を修復するためには、睡眠時間が欠かせないもの。この時間が減少すれば、脳はオーバーワークの環境に陥ってしまいます。
また、睡眠時間は、脳が情報を整理し、記憶を定着させるために必要な時間でもあります。不規則な生活の中で睡眠不足に陥れば、脳の効率は悪くなってしまうでしょう。
★過度な飲酒と喫煙
過度な飲酒や喫煙も、脳にとって悪い習慣となります。近年では、生活習慣病の発症が、脳の認知機能などと深く関わっていることがわかってきています。
飲酒や喫煙がきっかけで体調を崩すようなことがあれば、脳の機能低下をも引き起こしてしまうということ。若い時期からの習慣の積み重ねが、年齢を重ねた後の問題につながるケースも多いですから、できるだけ早いタイミングで見直すことが大切です。
★肥満
飲酒・喫煙と同様に、肥満も生活習慣病を引き起こす原因の一つです。肥満の場合、運動不足であるケースも多いものです。脳のためにも、運動を中心としたメニューでダイエットを計画すると良いでしょう。
★ストレス
脳に悪い習慣、最後の一つは日常的なストレスです。仕事がうまくいかないときや、人間関係に悩んだとき、ストレスを抱く方も多いことでしょう。
しかし、こうした「負の感情」も、脳にとっては悪い環境を生み出す要因の一つとなってしまいます。負の感情に囚われると、脳は達成するべきゴールを見失ってしまいます。強いストレスにさらされると、脳はその機能を低下してしまうのですね。もし現在強いストレスを抱えているのであれば、どうすれば解消できるのか、じっくりと検討してみてください。
脳に良い習慣
では一方で、脳に良い習慣とはどのようなものなのでしょうか。積極的に取り入れたいポイントをまとめます。
★規則正しい生活をする
まずは脳の健康を守る意味でも、規則正しい生活をすることが大切です。バランスの良い食事で脳の働きをサポートするほか、生活習慣病の予防を目指していきましょう。動脈硬化や肥満は、脳にも悪い影響を与えてしまいます。規則正しい生活と適度な運動を心掛けるだけで、将来の脳も健康も守ることにつながります。
また、規則正しい生活をすれば、ストレスの低減にもつながります。脳との関わりも深いことを自覚して、まずは生活全体を整えることを意識してみてください。
★利き手ではない方の手を使う
世の中には、右利きの人もいれば左利きの人もいます。よく使う手を司る脳の方が、発達しやすいという特徴があります。つまり右利きの人は左脳が、そして左利きの人は右脳が発達しやすいというわけですね。
脳は、普段から刺激を与えていないと、すぐにその能力が衰えてしまうことがわかっています。だからこそ、日常生活の中で「利き手ではない方の手を、あえて使う」ことで、普段使用頻度が低い脳を、活性化することにつながるでしょう。
文字を書く、絵を描くなど、ちょっとした動作を利き手以外でやってみるだけで両方の脳をバランスよく活性化させることができ、脳にとって良い環境を用意できます。
★趣味を見つける
最後は、「自分の好きなことをする」ということです。自分にとって「やりたいこと」や「好きなこと」をやっているとき、人は自然と集中するもの。脳も、その能力を目覚めさせます。
自分が心の底から夢中になれる趣味を見つければ、自然と「目標」も定まるでしょう。そしてその「目標」を達成するために、一つ一つ楽しみながら努力を重ねていけます。集中力も記憶力も存分に刺激され、活性化していくことでしょう。
脳を活性化させるためには、脳にとって悪い習慣をできる限り避け、そして脳に良い習慣を積極的に取り入れていくことが大切です。脳にとって良い習慣とは、脳にとって心地よい環境を用意するということ。それは自分自身の生活を、今よりももっと充実させることにもつながるはずです。今回紹介したポイントも参考にして、人生をもっと楽しみながら、脳の働きを活性化させてみませんか? より良い未来と、充実した生活の両方を手に入れられそうですね。
参考サイト
- 脳科学の立場から:運動で育む海馬の機能とたくましい心-筑波大学大学院 人間総合科学研究科 体育科学専攻 運動生化学 征矢英昭
- 認知症を予防するには?-砂川市ホームページ
- 認知症予防にも!すぐできる「両脳覚醒」トレーニング-介護ポストセブン – NEWSポストセブン
参考文献
- 苫米地英人(2012)『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』徳間書店
- 高田明和(2004)『高田明和の40歳から「賢い脳」をつくる「脳トレ」ノート』講談社