幼児期のしつけは教育・生活の重要ポイント!しかり方とNG方法を知ろう

幼児期にきちんとしたしつけをすることは、その後の教育、そして子ども自身の人生においても重要なポイントとなります。子どもの能力を伸ばしていくため、そしてスムーズに社会生活を送れるようにするためには、ぜひ意識しておきたいところです。

とはいえ、ただ単に「しつけ」と言われても、考え方は人それぞれ。非常に抽象的で「何をどうすればしつけになるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。しつけるときのポイントやしかり方について解説します。

子供をしつける時のポイント

幼児期の子どもをしつけるときにポイントとなるのは、「一貫性を持って行う」ということです。幼児期の子どもに、「やってはいけないこと」を教えることは重要なことです。しかし「昨日は何も言われなかったのに、今日はダメだと言われた」となると、子ども自身がいったいどう行動するべきなのか、混乱してしまいます。

1~2歳の子どもに「やってはいけないこと」を教えようとしても、「言葉もわからないのに無駄だろう」と感じる方もいるかもしれませんが、声のトーンを落として「ダメ」と伝えるだけでも、子どもは敏感に大人の変化を感じとります。本当にダメなことに対しては、こうした手順を繰り返すことで、子ども自身も徐々に理解できるようになっていきます。

とはいえ、幼児期の子どもに厳しすぎるしつけをするのもオススメできません。特に大人の都合を押し付けることを「しつけ」と勘違いしている方は、決して少なくありません。

自我が出てきた子どもにとって、自己主張をするのは当たり前のこと。それを「単なるワガママ」と捉えて、厳しくしつけようとすれば、子どもはどんどん好奇心を失っていってしまいます。子どもにしつけをするときには、「なぜ、これを教えるのか」をきちんと考えた上で実践する必要があります。大人の都合に子どもを合わせていないかどうか、確認しましょう。

子供をしかる時どのようにしかるべきか?

子どもをしかるときには、子どもにとって必要な場面で、きちんと伝わる方法を選ぶということが大切です。子どもをしからなければいけない場面は、実はそれほど多くはありません。

  • 自分自身を傷つけるとき
  • 周囲の他人を傷つけるとき
  • 命に重大な危険を及ぼす行為をしたとき

これらの場面では、子どもの今後のことを考え、真正面からしっかりと叱るべきでしょう。「何をしてもしからない」となれば、やはり子どもの心にとっては悪影響を与えてしまいます。成長に従って、さまざまなトラブルに巻き込まれることも予想されます。

子どもをしかるべき場面がやってきたら、次は「伝え方」にも気を配ってみてください。怒りをぶつけるような、感情的なしかり方をする必要はありません。子どもは大人の「怒り」ばかりに目が向いてしまい、「なぜしかられたのか」という理由を、理解できなくなってしまいます。

また幼児期の子どもにとって、長いお説教も意味がないものです。一度に多くの情報を与えられても、子どもは心に留めておくことができないからです。本当に必要なことのみを、ズバリと率直に伝えることを意識してみてください。

とはいえ、大人だって完璧ではありません。突発的な事態に、まず感情で動いてしまうこともあるでしょう。冷静にしかるべき場面で、もしも感情的に怒ってしまったら、その後、子どもにきちんと謝り、愛情を伝えてください。その上で、しかるべき内容について伝えます。

NGなしつけ、しかり方とは?

大人が子どもにするしつけの中には、残念ながら間違っているものも少なくありません。まずは大人の都合を子どもに押し付け、それをしつけとするのは辞めましょう。

1~2歳の子どもが、大人向けのレストランなどで静かにしていられないのは、当然のこと。「静かにしているように」ときつく言い聞かせることは、子どものためを思ったしつけではありません。きつく伝えれば伝えるほど、子どもの心は萎縮していってしまいます。

また、幼児期のしつけにおいて、体罰は原則として必要ありません。伝えたいことがきちんと伝わらないとき、「たたく」「痛みを与える」ことで、その重要性を伝えようとする手法もありますが、残念ながら子どもの心に残るのは「恐怖心」のみです。「なぜしかられたのか」がわからないまま、双方の信頼関係が崩れてしまう危険性があります。

3~5歳ぐらいになり、子ども自身が「どうしてしかられているのか」が理解できるようになったときには、「道路に飛び出しそうになったときに、手加減しながらお尻を叩く」「手が出そうなときに、パチンと叩く」といった手法が、有効となることもあります。

この場合は、なぜ叩いたのか、「恐怖心」よりも「愛情」を丁寧に伝えることで、大人の意図が伝わりやすくなります。間違っても、「子どものしつけ」を大人の感情のはけ口にしないよう注意してください。


子どものしつけは、幼児期からきちんと行うことが大切です。とはいえ日々の生活の中で、「この場合はどうすれば……」と悩むような場面が多いのも事実です。しつけのルールは、各家庭で異なっているのが自然なことです。子どもに「恐怖」ではなく「愛情」を伝えることを意識して、柔らかい心で取り組んでみてくださいね。

参考サイト

参考文献

  • 汐見稔幸(2016)『0~3歳 能力を育てる 好奇心を引き出す』株式会社主婦の友社
  • 田中喜美子(2001)『ちゃんと「話の聞ける子」に 「言うことをきく・きかない」は親次第』PHP研究所