リトミック教育で伸ばせるのは音楽スキルだけではない!家庭でも取り入れやすい教育法

子供たちの脳の発達を促し、豊かな発想力や独創性を伸ばしてくれるのが、リトミック教育です。なんとなく「今風」と感じる方も多いかもしれませんが、実は古くから伝わる歴史ある教育法の一つだということをご存じですか?

リトミック教育とは具体的にどのような教育法で、実践することで子供たちのどんな能力を引き出してくれるのでしょうか。リトミック教育に関する基礎知識と、家庭で実践できるかどうかを紹介します。

スイスから世界へと広がったリトミック教育

リトミック教育が生まれたのは、今から100年ほど前のスイスです。スイスで活躍していた作曲家エミール・ジャック・ダルクローズによって考案されました。ダルクローズは専用の音楽学校を持ち、そこには世界中から音楽教育について学びたい人が集まってきます。この学校で学んださまざまな日本人たちの手によって、日本中にリトミック教育が広がっていったのです。

リトミック教育の特徴は、楽しい音楽に触れ、音楽的な基礎を身につけながら、さらに身体的、感覚的、知的な成長を促していくというもの。音楽と運動という2つの要素を組み合わせることで、子供たちの聴覚や運動能力、そして想像力などを高めていきます。

もともとは優れた音楽家を養成するための教育法でしたが、リトミックを通じて高められる能力は、音楽以外の分野で活躍する際にも求められるもの。またリトミックが「音楽」という、子供たちにも馴染みやすい要素を取り入れていることで、幅広い分野で活用されるようになりました。

現在、日本で行われているリトミック教育の多くは、柔軟なプログラムの中から幼児教育に適した部分だけを切り取って、アレンジしたものと言っていいでしょう。幼少期からリトミック教育に親しんでいれば、将来、楽器や歌を学びたい!と思ったときでも、スムーズに移行できると予想されます。

また音楽と運動を両方一緒に取り入れることで、幼児期の脳に非常に良い刺激を与えることができます。集中力や反射力、表現力といった能力も磨かれていきますから、幼児期以降の子供たちの成長にとっても、非常に良い影響を与えてくれることでしょう。

リトミック教室の選び方と通い始める年齢について

日本で幼児期からリトミック教育を行いたいと思う場合、専門のリトミック教室に通うスタイルが一般的です。大手ピアノ教室や音楽教室の中には、楽器を専門で教えるコースの前段階として、赤ちゃんから幼児に向けたリトミッククラスを開講しているケースも少なくありません。

リトミック教室に通おう!と思った場合に、まず悩むのが「いったいいつから始めればいいの?」という点ですが、リトミックは何歳からでもスタートできます。たとえ0歳代の赤ちゃんであっても、0歳のプログラムに対応している教室を見つけることさえできればレッスンをスタートできるでしょう。

また近年では、リトミックとプラスアルファの要素を結び付けた新しいタイプの教室も人気を集めています。

  • リトミック+英語教室
  • リトミック+アート教室

音楽以外に、より表現力を高めたい分野があるのであれば、リトミック教育のメリットを生かした各種教室を検討してみてはいかがでしょうか。

リトミック教育を家庭で実践する際のコツ

リトミック教育は、専用の教室に通う以外にも、自宅で自由に取り入れることも可能な教育法です。以下のようなケースでは、いきなり教室に通うよりも、まずは自宅で実践してみた方がメリットを実感しやすくなるかもしれません。

  • 音楽家を目指しているわけではないが、子供の脳の発達のために良いことをしたい
  • 子供の性格では、リトミック教室に参加してもあまり楽しめなさそう

このような場合には、まずは自宅でリトミック教育を実践してみて、子供の様子を探ってみるのもいいでしょう。

自宅でリトミック教育を行う際の方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 手遊び
  • 音楽に合わせたダンスや体操
  • 楽器で音を出してみる
  • 聴こえてきた音に合わせて自由に動いてみる

ちょっとした空き時間に楽しめる手遊びも、実は立派なリトミック教育の一つ。子供向け番組では、ダンスや体操の時間が組み込まれていますが、これを楽しんでみるのもおススメです。

時には子供の発達段階に合った楽器を取り出して、一緒に音を出してみるのも良いでしょう。ピアノでいろいろな音を出しながら、「どんな動物さんの足音だと思う?」なんてクイズごっこをしてみるのも楽しめる方法です。

家庭でリトミック教育を取り入れるなら、大切なのは親が子供と一緒にとことん楽しむ!ということです。身近な大人が楽しんでいる事柄だからこそ、子供自身が興味を持って、主体的に取り組んでくれます。特に幼児期には、「子供の脳の発達のためにやらなくちゃ」という感覚ではなく、「親子一緒に楽しめるコミュニケーション遊びに一つ」として取り入れるのがおススメです。

子供自身が満足していれば、発達段階を見極めた上で、より高度な内容へとランクアップしていきましょう。また音楽教室などで、より本格的なリトミック教育を受けるのも良いかもしれませんね。


音楽に親しみながら子供の脳やさまざまな能力を伸ばしていけるのが、リトミック教育の良いところです。もともとは音楽家を養成するためのプログラムですが、幼児教育に活用する場合、難しいことを考えすぎる必要はありません。音楽と運動という2つの要素に楽しく取り組むことができれば、子供たちの聴力や感性、集中力や表現力を伸ばしていけるのではないでしょうか。

参考サイト