「問題解決能力」は、これからの社会を生き抜く上で、非常に重要なスキルの一つです。幼少期から周囲の大人がしっかりとサポートし、育んでいくのが望ましいでしょう。
「問題解決能力とは、具体的にどのようなスキルなの?」と疑問に思う方に向けて、スキルの詳細や身につけるメリット、伸ばし方を解説します。
問題解決能力とは?
問題解決能力とは、自身をとり巻く環境の中から問題を見つけ出し、その本質や原因を分析する中で、自分自身にも実践できる解決法を見つけ出す能力のことを言います。自身をとり巻く環境に対して「なんだかなぁ」とモヤモヤした気持ちを抱えていても、「その原因がどこにあるのかわからない」と感じている方は、決して少なくありません。
また原因がはっきりしている場合でも、自分で実践できる解決法を見出せなければ、状況を改善することは難しいでしょう。こんなときに役立つのが、問題解決能力というわけです。
問題解決能力の特徴は、「正解が一つとは限らない」ということです。同じ状況下にあったとしても、どこにどんな問題を見つけ出すのかには、個人差があるでしょう。また、その問題に対してどのようにアプローチできるのかという点についても、人によって違いがあります。だからこそ、自分自身でスキルを伸ばしていくことが重要です。
問題解決能力には、具体的に以下の3つのステップに分けられます。
- ステップ1……問題を認識する
- ステップ2……問題をとり巻く環境や、今の状況を分析する
- ステップ3……自分で実践できる解決策を考え、実行に移す
問題解決能力に優れている人は、常にこれら3つのステップを意識して行動しています。子供であっても、例外ではありません。ただぼんやりと現実を受け入れるだけではなく、常に課題を意識し、それを改善するための分析・行動も欠かしません。
問題解決能力は、子供たちの学習・社会生活においても欠かせない能力だと言えるでしょう。意識して能力を伸ばせているかどうかによって、生活の質も大きく変わると予想できます。
仕事やコミュニケーションに必須のスキル
幼少期から問題解決能力を磨くことには、さまざまなメリットがあります。具体的なポイントをチェックしていきましょう。
★勉強や仕事で成果が出やすい
問題解決能力が優れている人は、自身をとり巻く環境の中に、問題を見つけるのが抜群に上手です。ここで言う「問題」とは、「自分自身をより成長させるための課題」のこと。次から次へと課題を見つけ、それをクリアするための方法までをも自分で考え、実践していきます。
子供時代には学力アップが期待できますし、社会人になってからは、職場における評価の向上を期待できます。大人になってから出世しやすいのも、問題解決能力が高い人だと言われています。
★論理的思考力が伸びる
問題解決能力に欠かせないのが、論理的思考力です。問題を見つけ、それを解決するためにどうすれば良いのかを導き出すためには、物事を論理的に考える力が欠かせないのです。
小学校で実施されているプログラミング授業も、この論理的思考力を伸ばすことを目的としています。問題解決能力を意識して行動すれば、両者を効率よく鍛えられるでしょう。
★他者とのコミュニケーションを深められる
問題解決までのステップを論理的に考えられるようになることは、高い思考力だけではなく、自分の考えを周囲に伝えるための表現力を伸ばすことでもあります。
コミュニケーションで何らかの問題が起きたときでも、問題解決能力が高い人は、簡単にあきらめることはありません。状況に応じて臨機応変に対応できるようになれば、よい深い人間関係を結ぶことにもつながるはずです。
幼少期から問題解決能力を育む3つの方法
問題解決能力は、日々の習慣の中で、少しずつ身についていくスキルです。幼少期から子供に身につけさせたい!と思うのであれば、親や身近な大人の協力が必須となります。子供への関わり方をほんの少し変えるだけでも、効果が期待できますから、ぜひ実践してみてください。
★自分の頭で考える習慣を身につける
問題解決能力を高めるために、まず必要となるのが思考力です。子供が自分で考えられるよう、環境を整備してみてください。
具体的には、周囲の大人が簡単に答えを与えないことが大切です。「明日の持ち物はノリとハサミだよ」と具体的に指示を出すのではなく、「明日の持ち物は何?」と聞くだけでも効果的です。子供は自分の頭で、「うーん…なんだっけ?」と考え始めます。
一方、何か失敗をしたときも、子供にとっては大きなチャンスです。失敗を叱るのではなく、「どうして失敗しちゃったんだろうね」「これからどうしようか?」なんて、子供の考えを聞き出してみましょう。子供が自分で考えたことは、心に残りやすいというメリットもあります。
★問題を見つける練習をする
問題解決能力で、意外と難しいのがステップ1です。つまり「問題を見つける」という作業が、苦手な子供も少なくありません。
この能力を高めるためには、「なぜ?」という問いかけを実践するのがおすすめです。しつこくし過ぎる必要はありませんが、ぜひ定期的に取り入れてみてください。
★具体的な解決法について、親子で話し合ってみる
問題解決能力を高めるためには、自分にできること、できないことを冷静に見つめる能力も必須となります。こちらも親子の関わりの中で、意識していくのがおすすめです。
何か問題が起きたときには、ぜひ具体的な解決法について、親子で話し合ってみてください。慣れないうちは、まず親が「パパやママだったら、○○するかな」なんて、解決策を提示してみましょう。きっと、「だったら、ぼく・わたしは△△するよ」なんて意見を出しやすくなります。「その方法だったらできそうだね」「じゃあ早速やってみようか」なんて会話を進めていくことで、問題解決までのステップを、さりげなくサポートできます。
まとめ
問題解決能力は、子供たちの人生をより豊かにしてくれるスキルの一つです。幼少期から意識して身につけることで、多くのメリットを得られるでしょう。
問題解決能力を伸ばすためのコツは、何気ない親子の関わり合いの中にあります。日常生活の中に子供の思考力を伸ばす工夫を取り入れてみてください。