子供のやる気を高めるため、また子供との生活を円滑に進めていくために、「ご褒美」を活用している方も多いのではないでしょうか。「○○をしたら、△△をあげるよ!」なんて言葉をかけると、子供はサッと動いてくれるもの。時間がないときや、やらなければいけないことがあるときには、非常に便利な方法です。
とはいえこのご褒美作戦、親が間違った方法で実践すると、子供に悪影響を与えてしまう可能性も。ご褒美を上手に与えるためのコツと共に、ご褒美作戦を決行する際の注意点をお伝えします。
ご褒美を上手に与えるコツ
ご褒美は、大人にとっても魅力的なものです。「ポイントが貯まれば○○がもらえる」「営業成績が△△を超えたら、スペシャルボーナス」といったフレーズに魅力を感じ、普段以上に頑張ろう!とする方も多いことでしょう。
子供にとってもそれは同様で、ご褒美作戦を導入することで、短期的な結果に結び付けられる可能性が高まるのです。
しかし、一方で、以下のようなデメリットも存在しています。
- 成果は一過性のもので、長続きしない
- ご褒美がないと頑張らない子供になってしまう
ご褒美を設定したテストでは良い結果を残せても、それがそのまま自頭の良さにつながるわけではありません。また、何かあるごとにご褒美をねだられるのも、親としては困ったものです。
人間の「やる気」には、外からの働きかけで生み出される「外的動機」と、自身の心の中で自然に生まれる「内的動機」の二つがあります。ご褒美がきっかけで生まれるのは、もちろん前者です。しかし長い目で見たときに、子供の成長をより促してくれるのは、後者なのです。
だからこそご褒美は、子供が「内的動機」に従って動けた場合に与えるのがオススメです。
具体的には、「漢字テストで100点取れたらご褒美をあげる」と事前に提示するのではなく、「自分から漢字テストの勉強ができて、えらかったからご褒美だよ」と事後に提示してみてください。もちろん、漢字テストの点数にこだわる必要はありません。
子供にとっては、「自分でやる気を出す」⇒「大好きなパパ・ママに褒められた!」と、さらにモチベーションを生み出すきっかけになるかもしれません。
また「結果だけではなく、私(僕)が頑張っているところも、ちゃんと見てくれていたんだ!」と、自己肯定感を高めることにもつながります。
ご褒美を与える上での注意点
子供にご褒美を与えて、その成長を促すのであれば、いくつか注意するべきポイントもあります。ご褒美作戦で子供の成長を阻まないためにも、ぜひ頭に入れておいてください。具体的な2つの点を紹介します。
★ご褒美に「物」や「お金」を使い過ぎない
大人が思い浮かべるご褒美としては、「物」や「お金」が一般的です。おもちゃやお菓子、お小遣いなどは、子供が確実に喜ぶもので、モチベーションアップにもつながりやすいと言えるでしょう。
しかしこれらのご褒美を与えすぎると、子供は徐々に「それが当たり前」と思ってしまいます。「ご褒美」としての効力が高い分、「もらえないなら頑張れない」という副作用も、生じやすくなるのです。やる気を出してもらうためのご褒美が、かえって子供のやる気を奪うことにもつながりかねません。
だからこそ、ご褒美の内容は慎重に決定することが大切です。
- 一緒に公園に出かける
- 一緒にスポーツを楽しむ
- 一緒にお菓子を作る
ご褒美は、日常の中の些細な行動でも大丈夫です。「両親と一緒に」と特別感を演出することで、子供にとっては魅力的なご褒美に映ります。
★ご褒美をあげれば良いというわけではない
またご褒美作戦を決行する場合には、「ご褒美をあげる」ことだけに集中し過ぎるのもオススメできません。子供にとって何よりうれしいのは、大好きなパパ・ママに褒めてもらうこと。
だからこそ、「すごく頑張ったね! ちゃんと見ていたよ!」などと、褒め言葉はストレートな言葉で伝えてあげましょう。ハグなどの行動を示すのもオススメです。
どんなご褒美を与えるにしても、「言葉」や「笑顔」、「行動」とセットにすることを忘れないようにしましょう。
大人にとっては、助かることも多いご褒美作戦。しかしその使い方を誤ると、思ってもみなかった方向へと進んでしまうこともあるので、十分に注意しましょう。せっかくですから、子供をより良い方向へと導くため、上手なご褒美作戦を実践してみてくださいね。