先を見通す力を持つ人を、「先見性がある」と表現します。過去の偉人や優れた経営者たちの歴史を見ると、その優れた先見力に驚かされることも多いのではないでしょうか。
ではこの先見性・先見力とは、具体的にどのような力を指すのでしょうか。日常生活の中で実践できる、先見性を高めるためのトレーニング法と共に紹介します。
「先見性がある」とは、具体的にどのようなことなのか?
先見性とは、これから起こりうる先々の出来事を見通す力のことを言います。普通の人間には、未来を予知する能力は備わっていません。しかし完全に未来を読み切ることは不可能でも、さまざまな情報をもとに、極めて正確な未来を予測できる人は決して少なくありません。
先見性があれば、以下のようなメリットが生まれます。
- これからヒットする商品が予測できる
- 経済の動きを予測した上で、自分にとってベストな行動をとれる
- 人生の岐路に差し掛かったときに、後悔しない選択ができる
- 周囲の人よりも、一歩先に行動できる
- 大きな失敗を避けることができる
何か失敗したり、大きなチャンスを逃したりする場面においては、「未来のことがわかっていれば、あのとき○○していたのに……」なんて後悔する方も多いことでしょう。先見性があれば、このような感情を抱く必要もありません。
特にビジネスの世界においては、先見性があるかどうかは極めて重要なポイントとなります。経営者に先見性があれば、会社としてビッグチャンスをつかみながら成長を続けていけることでしょう。反対に先見性がなければ、無計画な経営のもとで危機にさらされてしまうことになります。
社会において先見性を求められるのは、経営者だけではありません。一般の社員であっても、自身の判断のもとで仕事を進め、決断をするべき場面は多くあります。先見性がある人の方が、やはり有利な立場で行動できるはずです。
先見性がある人の特徴とは?
先見性があるかどうかは、一目で判断できるわけではありません。ただし、その考え方や行動パターンには、いくつかの共通点があると言われています。自分自身や身近な人に先見性があるかどうかを確かめたいときには、ぜひ以下の項目をチェックしてみてください。
★常に広い視野で物事を考えている
ある議題について討論している際に、これまでとはまったく異なる視点で意見できる人は、さまざまな立場から物事を考えられる人です。世の中の物事は、あらゆる立場の人の考えによって、複雑な動きを見せるもの。広い視野を持っていれば、複雑な動きを予測する力につながります。
★他者とのコミュニケーションを積極的に楽しんでいる
人の意見を積極的に取り入れることも、先の流れを見極めることにつながります。自分の知らない情報や、他者の意見から学ぶことで、自分自身の成長へとつなげています。
★雑誌やニュース、本などで情報をこまめにチェックしている
未来とは、過去や現在の延長にあるもの。つまり過去や現在に起きていることを知ることが、未来を知る手がかりとなります。情報を得るだけではなく、その中から自分なりの考えを導き出している人ほど、先見性があると考えられます。
日常生活の中で先見性を高めるためのトレーニング
同じ仕事に取り組む際に、先見性があるのとないのとでは、たどる道筋や結果は大きく変わってくるでしょう。先見性を持って物事に取り組みたい!と思うようになったら、先見性を高めるためのトレーニングを実践してみてください。日常生活の中、手軽に実践できるメニューを3つ紹介します。
★これまでに話したことがない相手と、コミュニケーションを楽しんでみる
普段の生活の中で、コミュニケーションをとる人が限られている方も多いのではないでしょうか。こうした殻を打ち破り、新しいコミュニケーションを切り開くことが先見力を高めるためのコツとなります。
- 苦手な人
- 外国人
- 自分と全く異なる分野の人
自分と異なるところが多い人ほど、先見力を高めるきっかけになります。積極的に話しかけると共に、ぜひ新たな発見を楽しんでみてください。
★常に未来を想像する習慣をつける
日常生活の中で、まだ起きていない未来について、できるだけ具体的に想像することも効果的なトレーニングです。映画やドラマを見た後に、エンディングの先を想像してみるのも良いでしょう。また流行アイテムの次に来るものを予測してみるのもオススメです。自由な発想で楽しんでみましょう。
★物事の過去に注目し、学ぶ習慣を身につける
成功した事柄も失敗した事柄も、必ずそこには過去があります。過去にどのような歴史があり、その歴史が結果にどのような影響を与えたのかを知ることは、これから先に起こりうることを知るヒントになってくれるはずです。
気になる商品を見つけたら、商品開発の過程についてできるだけリサーチしてみてください。また過去の偉人がどのように成功を収めてきたのかを知ることも、トレーニングの第一歩です。こうした知識に、「もし自分だったらどうするか」という視点を加えて考えることができるようになれば、自分なりの先見性を高めていけます。
先見力が高ければ、未来を予測した上で自分自身の行動を決定できます。仕事でも日常生活でも役立つ能力なので、身につけておいて損はありません。日常生活の中で実践できるトレーニングも意識しながら、自身の力を育てていきましょう。