楽しい本は好きだけど、難解な専門書はどうにも苦手……。このようなお悩みを持つ方は決して少なくありません。楽しい本だけを読んでいられればいいのですが、仕事をする上で、難解な専門書を読み解き、理解するよう求められることもあるでしょう。
こんなとき、専門書や難読書に対して、どのような姿勢で向き合えばいいのでしょうか。難しい専門書を読み解くコツと共に、記憶に定着させるためのポイントを紹介します。
専門書を読むためのコツは「読む前」にあった!
専門知識を得るために欠かせないのが専門書です。しかし初心者にとっては、専門用語ばかりでわからない点も多いもの。最後まで読み進め、なおかつその内容を完全に理解することは、至難の業だと言えるでしょう。
専門書を効率良く読むためのポイントは、実は読む前に隠されています。ぜひ以下の行動を心掛けてみてください。
★少しでも読みやすい本を選ぶ
「本を読む」という行動は、実は「本を選ぶ」というところからスタートしています。専門的な内容が記してある本であっても、「他の種類を全く選べない」という状況は極めて稀です。同じような種類の専門書から、自分にとって少しでも読みやすいものを選択しましょう。
同じ専門書という括りでも、筆者の言葉の選び方や、どのような読み手に向かって書かれた本なのかによって、その難易度は大きく変わってきます。容易な本を選ぶことで、ストレスも軽減できますし、時間の節約にもつながります。
「どうしてもこの本でなければ駄目」という場合でも、その本を攻略する前の予備知識を得るために、内容が簡単な本を一冊組み込んでみてください。ある程度内容を理解した上で、改めて難解な専門書に挑めば、理解度も高められるはずです。
★目次・見出しから読む
難しい専門書を読むときには、ぜひ目次に注目してみてください。目次に記されているのは、本の全体像です。どのような方向で話が進んでいくのかを理解しておくだけでも、内容をつかみやすくなります。
また時間がそれほど取れないときには、見出しだけをチェックしていく方法が有効です。本の中に使われている見出しとは、その部分で最も重要な部分が抜き出されたもの。見出しをチェックし、その内容をざっくりと把握しつつ、必要そうな情報を見つけたら、より詳しい部分に目を通していきましょう。
★集中して取り組める環境を用意する
難解な専門書に対して苦手意識を持っていると、内容に集中できないまま、時間ばかりが過ぎていってしまうようなケースも少なくありません。このような事態を避けるために、ぜひ集中して読書に取り組める環境を意識して準備してみてください。
まず意識したいのが、読書に取り組む時間についてです。あらかじめ1~2時間に決めておきましょう。時間になったら終了してOKです。また読書をする環境についても意識してみてください。リラックスできる自宅で読書をするのもおススメですが、気が散ってしまうことも考えられます。静かなカフェや図書館など、読書に適した場所も多くありますから、こうした場所にお出かけしてみるのもおススメです。
これらの事前準備のもとで専門書を読み始めれば、理解度も高まるはずです。ある程度理解できるようになれば、苦手意識も弱まっていきます。専門書を活用し、さらに幅広い知識を身につけていけるのではないでしょうか。
専門書の内容、「覚えたつもり」にならないためには?
せっかく専門書を読んだら、その内容を確実に自分のものにしたいところです。意外と多いのが、「最後まで読んだものの、覚えたつもりできちんと記憶として定着していない」というケースです。こんな落とし穴にハマらないためには、以下の方法を実践してみてください。
★アウトプットしてみる
人間は、インプットだけで記憶を定着させられるわけではありません。その内容を思い出しながらアウトプットすることで、より深く記憶していくことができます。
アウトプットの方法としては、
- 書く
- 話す
といった方法を選択するのがおススメです。自分一人で、専門書から学んだ内容をノートにまとめてみても良いでしょう。もしグループで学習している内容であれば、覚えた内容を周囲の人に向かって説明してみてください。
アウトプットすることで、まだきちんと理解できていないこと、記憶があやふやになっている点もはっきりします。こうした点を見つけたら、改めてその部分を確認することで、より深い知識を得ることができます。
★繰り返し読む
本の内容を1度読んだだけで全て理解するのは、実は非常に難しいことです。比較的シンプルに読める本であっても、1度目の読書は「そうなんだ!」という発見だけで終わってしまいがち。つまり、自分にとって理解できないことやそれを解決するための糸口までには、到底行き着いていない状態なのです。
本の内容をより確実に記憶したいと思うときには、新鮮な気持ちで、ぜひ本を3回読み直してみてください。2回目になると、1回目よりも深く理解できていることに気づけるはずです。3回目には、アウトプットすることを前提に読み込んでいきましょう。
「3回読む」を意識することで、より着実に自身の知識を定着していけます。
難解な専門書を読むことになったとき、思わずげんなりしてしまう方も多いのではないでしょうか。なんとも言えない気分になるのは、理解するのが難しいから。さまざまな工夫で理解度を高めることができれば、憂鬱な気分も軽減できるはずです。今回紹介したテクニックも活用しながら、着実に読み進めてみてくださいね。