判断力を鍛えよう! 思考と判断の積み重ねが能力アップ最短ルート

先を見通すことが難しくなっている中で、インターネットと発達と共に「入手できる情報の量」はどんどん増えてきています。このような状況だからこそ、仕事や日常生活において、物事を自分の頭で判断する能力が求められています。

判断力を高めることができれば、いざというときにも悩むことはありません。自身の考えに基づき、適切な判断が下せるようになれば、仕事の評価も高まるでしょう。では具体的に、判断力をトレーニングし発揮したいときには、どうすれば良いのでしょうか。詳しく解説していきます。

効果的なトレーニング方法は? 日常生活でも手軽にできるトレーニング

判断力を鍛える最大のコツは、「日常生活の中で決断する機会を増やす」ということです。日常生活の中にあふれている「何気ない行動」を、「自分自身が判断して決めた事柄」にしていくのです。

たとえばランチのメニューでも良いですし、仕事に関わる項目でも良いでしょう。重要なのは、自分自身で決断をして、それを自覚するということです。もしできれば、「なぜそう決断したのか」にまで、考えを巡らせると、その後の判断力向上のきっかけになります。決断力ではなく、判断力を高めるためには「何らかのデータやこれまでに得た情報を元に、情報を整理する」という能力が必要不可欠だからです。

また、日ごろからあらゆる物事に対して、積極的に取り組むというのも重要なことです。その中では、もしかしたら何らかのトラブルが起きることもあるかもしれません。そのような場面では、ぜひ「自分が当事者だったらどうするのか」「なぜそうするのか」という思考を持ってみてください。「もし自分だったら……」とさまざまなパターンを予習しておくことで、状況判断を行うときの手助けになってくれる可能性があります。

日常の中で「考えて判断する」という思考回路が身に付いている人は、一見自分に関係がなさそうなニュースに触れた際にも、「もし自分だったら」と「思考→判断」のプロセスを繰り返しています。

また、ときには他人の意見も積極的に取り入れることで、判断をする場合の「材料」を増やすことができるでしょう。ほんの少し意識を変えるだけで実践できますから、ぜひ挑戦してみてください。

判断力を発揮したいときに使えるテクニック

判断力を発揮するために、活用できるのがインバスケット思考です。ビジネスに必要な思考能力を手に入れるための、トレーニング法の一種で、インバスケットとは「処理されないままの書類が溜まった箱」を意味しています。

インバスケット思考においては、自身を架空の存在としてイメージし、制限時間内で課題を解決することになります。このときのコツは、いくつかの課題を同時に与え、優先順位をつける訓練を行うこと。限られた時間の中で自分なりの問題解決方法を見つけることが、能力アップの秘訣となります。

また、優先順位をつける際には、「ローハンギングフルーツを狙う」というテクニックを使うのがオススメです。

ローハンギングフルーツとは、木の下の方にあり、手が届きやすい果物を意味する言葉です。ローハンギングフルーツを狙えば、少ない労力ですぐに成果を挙げることができるでしょう。

職場で判断力を求められる場面として、「どの仕事から優先的に片付けるべきか」「さまざまな情報の中から正しく取捨選択をして、今取り組むべき内容を決める」といったものが挙げられます。こんなとき、ぜひ実践していただきたいのが「ローハンギングフルーツを狙う」というテクニックなのです。

仕事の中には、「難易度が低くて成果が挙がりやすいもの」があります。素早くそれを見つけ出し、判断力を発揮しましょう。難易度が低くてしかも成果が挙がりやすいのですから、判断するのに難しいことはありません。

何らかの課題が課せられたときに、「ローハンギングフルーツはどれか」を瞬時に見極める思考回路を育てることで、優れた判断力につながっていくでしょう。


人間は誰でも、「小さな判断」を繰り返しながら生活しています。一つ一つの判断を意識して行うことが、脳力アップのコツとなるでしょう。職場で判断力を発揮したいときに使えるテクニックも踏まえて、自信を身につけていってください。

参考サイト

参考文献

  • 小林敬幸(2015)『ビジネスの先が読めない時代に自分の頭で判断する技術』株式会社KADOKAWA
  • 白鳥春彦(2014)『思考のチカラをつくる本』株式会社三笠書房