これからの時代、活躍できる人材となるために、必要だと言われているのが「グローバル行動力」です。なんとなく意味はつかめても、詳しい内容はわからない!という方も多いのではないでしょうか。グローバル行動力とはどのようなもので、具体的にどう身につければ良いのでしょうか。より一層成長するため、さっそくチェックしてみましょう。
グローバル行動力とは?
グローバル行動力とは、世界中どこへでも出かけて行って行動する力や、どんな人とでも自信を持って対等に渡り合う力を指します。『3年後に結果を出すための 最速成長』という本の中で、著者である赤羽雄二氏が提言したキーワードです。
黒船来航時や高度経済成長期の日本人は、諸外国に後れを取らないため、一つでも多くの技術を取り入れようと必死で行動していました。地球の果てまででも出かけて行って、商売をする。そんな積極的な姿勢こそが、日本の技術や国力アップの秘訣だったのです。
しかし今、日本でこうした考え方を持つ方は、それほど多くはありません。昔よりもずっと諸外国が身近になっているにも関わらず、さまざまな理由から日本人コミュニティを飛び出せない方も少なくないのです。
こんなときに必要なのが、グローバル行動力です。これから先10年の流れを見越した際に、日本以外の国とのつながり、ビジネスがより重大な意味を持つようになるのは、目に見えています。「日本にいるから関係ない」という話ではなく、日本国内においても、海外からのモノやヒトの流れをより一層感じるようになるでしょう。
グローバル行動力がある人は、地球上のどこで、どんな人種の人と仕事をする場合でも臆することはありません。そしてこの力こそが、今後の社会情勢を生き抜くためのポイントの一つになると考えられています。
グローバル行動力を身につけるためには?
グローバル行動力の重要性がわかったところで、次に気になるのが「じゃあグローバル行動力を鍛えるためには、具体的に何をすれば良いの?」という点です。
ここからは、3つのコツを紹介します。
★人の目を気にし過ぎないこと
日本には、「和を乱さないことが何よりも重要」という風習があります。「出る杭は打たれる」の諺どおり、悪目立ちしないよう、常に人の目を気にしている方も多いのではないでしょうか。
協調性は悪いことではないのですが、それが原因で思うように行動できなくなっているとしたら、大きな問題です。人の目を気にしているうちに、どんどん自信を失ってしまう可能性もあります。
他人にどう思われるかが気になって成長できないときには、あえてその習慣から卒業しましょう。人の目を気にしなければ、「やってみたいこと」や「挑戦したいこと」が見つかる方も多いはず。グローバル行動力を育てるきっかけにもなるでしょう。
★自分から積極的に、さまざまな立場の人と関わること
グローバル行動力では、さまざまな国、文化の人々とも、対等に渡り合うことが求められます。最初からすぐにできるわけではありませんから、少しずつ練習を積んでいきましょう。
実際に海外に出て、いろいろな人とコミュニケーションをとってみるのが一番ですが、現実的には難しいことも多いはずです。こんなときには、日本国内でも「できるだけ自分から遠い人」と関わってみるのがおすすめです。自分とは異なる考え方を持つ人たちとコミュニケーションをとってみると、新たな発見もあるでしょう。グローバル社会で活動する際にも、自信の源になってくれます。
★地球規模で、魅力的な市場に目を向けること
ビジネスについて考えるときには、つい視野が狭くなりがちです。たとえば、「来月の売上を10%増やす」という目標を立てた場合でも、「今ある市場の中で、どう工夫するのか」を考える方が多いのではないでしょうか。
しかしグローバル化が進めば、市場は日本国内だけとは限りません。魅力的な市場は世界中にありますから、ぜひこれらを視野に入れてみてください。目標達成に向けて、これまでとは全く異なるアプローチ方法が見つかるかもしれません。
すぐにその市場を開拓できるかどうかは、会社やビジネスの状況によって異なるでしょう。しかし常日頃からグローバル社会を視野に入れ、具体的にイメージしておくことが、いざという場面での行動力につながるはずです。
高い英語力は必須ではない
「グローバル行動力」という言葉を聞いたときに、「やっぱり英語力が大切だ」と思う方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、グローバル行動力を身につけるために、高い英語力は必要ありません。
なぜなら言葉とは、単なるコミュニケーションの道具に過ぎないからです。その気になれば、翻訳アプリや筆談、ノンバーバルコミュニケーションなど、意思疎通する方法はいくらでもあります。
それよりも、「英語力がないから」という理由で世界に飛び出せないとしたら、そちらの方が問題です。「グローバルな市場でやりとりをしているうちに、語学力はそのうち身につく」程度の感覚でも大丈夫です。
これから先の社会を見越して、子供にグローバル行動力を身につけさせたい!と思う方もいるかもしれませんが、この場合でも注意点は同様です。幼児期から外国語を習得させることは、子供にとってメリットもありますが、必須ではありません。
それよりも、諸外国と日本との関係性をより身近に学んだり、異文化交流を楽しんだりと、実体験を積み重ねていくのがおすすめです。たとえ語学力はなくても、世界を身近に感じ、行動できる大人に育つ可能性が高くなります。
まとめ]
これからの時代に、身につけておいて損はないのがグローバル行動力です。日本だけではなく、世界で積極的に行動できる力こそが、より一層強く求められるようになるでしょう。グローバル行動力は、自分自身の気持ち一つで身につけられる可能性があるもの。ぜひ小さな世界に閉じこもるのではなく、広い世界に目を向けて、行動力を発揮してみてくださいね。
参考サイト
- 【第10回】これからの時代を生き抜くための「グローバル行動力、センス」を身につけるには?ー『3年後に結果を出すための 最速成長』より-ブレークスルーパートナーズ
- 『3年後に結果を出すための最速成長』-ブレークスルーパートナーズ
- 第5回:グローバル人材に求められる行動力-人事コンサルティング クレイア・コンサルティング株式会社
参考文献
- 3年後に結果を出すための 最速成長-著者: 赤羽雄二