成功するために必要な錯覚資産について……その仕組みと活用方法

成功者になるために、あなたは何が必要だと思いますか? 実力でしょうか。それとも学歴や人脈でしょうか。比較的新しい考え方の一つに、「成功するために必要なのは、錯覚資産」というものがあります。「錯覚資産」とはどのようなもので、具体的にどう活用すれば良いのか、わかりやすく解説します。

錯覚資産とは?

錯覚資産とは、「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」や、錯覚を引き起こす事実のことを指します。2018年に出版された『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』という本の中で、著者である、ふろむださんが提唱した概念です。

「いったいどういうこと?」と思ったときには、著者であるふろむださんの経歴に注目してみましょう。

  • 複数の企業を創業している
  • 運営ブログを読んだ人は数百万人
  • 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』はAmazonランキングで1位を獲得

与えられた情報はごくわずかなものですが、ふろむださんに対して「なんとなく、すごそうな人だな」と感じた方も多いのではないでしょうか。「こんなにすごい人が書いた本なのだから、一度読んでみよう」と感じたとしたら、これこそが錯覚資産です。

人間は何らかの情報を与えられた際に、自分にとって都合の良い拡大解釈をしてしまいがちです。これを心理学用語で「ハロー効果」と言います。一つの分野で優れている人は、多方面においても優れているに違いない!と感じるのが、ハロー効果であり、また錯覚資産なのですね。

錯覚資産が注目されたのは、「成功するためには、実力よりも錯覚資産の方が大切」という、非常にインパクトのある説であったためです。確かに、実力主義の中で評価されるのは「個々の実力」ということになりますが、それを判断する人間の主観は無視できないポイントとなります。錯覚資産を持っている人は、スタートの時点で他者に差をつけた状態でスタートできるということです。当然、目的のゴールにたどり着ける可能性も高くなるでしょう。

まずは「錯覚資産」の存在を意識しよう!

なんとなく理解できるようで、やっぱり難しいのが錯覚資産。実生活に活用したい!と思ったときには、まず錯覚資産の存在を意識するところからスタートしましょう。

人が錯覚に陥っているとき、その事実に気付くことはできません。つまり、誰かの錯覚資産でその実力を水増しして感じていたとしても、自分でそれを見抜くことは難しいのです。この場合、私生活においてもビジネスにおいても、損をしてしまいかねません。

一方で、錯覚資産の存在を知っていれば、他者の実力を錯覚するリスクを軽減することができます。「こういう錯覚方法がある」と知っていれば、「本当にそうなのかな? そう思い込んでいるだけなのでは?」という視点を持つことができるでしょう。

また、錯覚資産を活用するのは、一般の人だけではありません。自身の力を過大評価させるのは、詐欺師の常とう手段です。騙されるリスクを低下させるためにも、錯覚資産を意識してみてください。

このほかビジネスにおいて、部下や上司、取引先の相手の実力をより正確に把握したい場合にも、錯覚資産に関する知識が役立ちます。「錯覚資産に踊らされて、無能な人に仕事を頼んでしまう」なんてこともなくなるのではないでしょうか。

自身の印象をマイナスにしないために役立つもの

錯覚資産をより積極的に活用してみたい!と思うときには、自身の印象をマイナスにしないために、役立ててみてください。

先ほどもお伝えしたとおり、錯覚資産を知っているかどうかで、スタートラインの位置は大きく異なってきます。世の中には錯覚資産の効果を知っていて、フル活用している方も少なくありません。こうした方々と、純粋に「実力のみ」で互角の戦いをするのは、非常に難しいと言えるでしょう。

錯覚資産は、「嘘」でも「はったり」でもなく、単純な事実。それに対して、周囲の人が「勝手に錯覚して判断する」という性質を持っています。判断する側の心が関係しているため、判断される側がそれをコントロールするのは難しいのです。

自分自身も錯覚資産を意識して活用することで、初めて同じ土俵に立つことができます。ある会社の採用試験を受けたときに、錯覚資産でライバルに遅れをとり、落とされてしまうのは悲しいもの。自分自身も錯覚資産を活用すれば、錯覚資産以上の部分で、初めて戦うことができるでしょう。「錯覚資産で得をする」というよりも、「錯覚資産で損をしないようにする」ということを意識してみてください。

また錯覚資産の活用方法として、嘘をつくのは間違った方法です。嘘はいずれバレますし、周囲からの信用を失えば、挽回するのは、ほぼ不可能と言っても良いでしょう。事実を誇張して伝える「はったり」についても、同様のことが言えます。

錯覚資産をより効果的なものにするためには、期待に見合った成果を上げることが大切です。すると、実力を発揮するのにふさわしい環境が整いますし、さらに大きな錯覚資産を得ることにつながります。このサイクルを上手に回すことができれば、成功者へと近付けるでしょう。

まとめ

ちょっと難しい「錯覚資産」という概念ですが、「こういうものがある」と知っておくだけでも、人生は変わります。錯覚資産を活用している人は、活用していない人と比較して、有利なルートを進みやすくなるからです。また錯覚資産に関する知識は、自分や大切な人を守るためにも役立ちます。自身を上手に錯覚させると共に、他者の悪意ある錯覚に騙されないよう注意してみてください。

参考サイト