音読は子どもだけではなく大人にとってもメリット大!脳との関係性と効果的な方法とは?

小学生の宿題として定番の音読。「いったいなぜ、何度も声に出して読ませるのだろう?」なんて、不思議に思った経験はありませんか?

実はこの音読、脳の仕組みと深く関わっており、さまざまなメリットが期待できるということをご存じですか? 音読が脳に良い理由や仕組み、効果的な音読方法について解説していきます。

なぜ音読は脳に良いのか?

文章を声に出して読む音読。同じ読む作業であれば、黙読でも良いのでは?なんて思ったことはありませんか? 実はこの音読、黙読とは全く異なる方法で、脳の働きを高めてくれることがわかっています。

音読をするとき、人は

  • 見る
  • 聞く
  • 話す

という3つの行動を同時に行うこととなります。簡単にやっているようで、脳にとっては非常に複雑な行動であり、だからこそ、音読をしている最中の脳は全体的に活性化します。

黙読では、文章の内容を把握することはできても、脳全体を活性化させることはできません。脳への影響を考えるのであれば、音読を選んだ方がお得と考えることもできるわけです。

また、自分の声に出して読むことで、文章の内容をより深く理解することにもつながるでしょう。これが、子供の宿題に音読が選ばれやすい理由の一つだと考えられます。

さらに近年注目されているのが、音読をすることで記憶力がアップするという研究結果です。音読効果で脳の機能が高められることにより、音読直後の記憶容量が2割~3割程度高まることがわかっています。

物事を素早く判断したり、将来を予測したりするための訓練にもつながると言われていますから、脳にとっては最高のトレーニングメニューだと言えそうですね。

より効果的な音読方法

どうせ音読をするなら、より効果的な方法で実践したい!と思う方向けのコツを紹介します。以下のポイントを参考にしながら、脳トレーニングにつながる音読を実践してみてください。

  • 内容を理解しながら読む
  • できるだけ素早く読む
  • 音読に集中できる環境を用意する
  • 楽しみながら音読をする

音読で脳を活性化させるためには、自分自身が読んでいる内容に対して興味を持ち、理解しながら読もうとすることが大切です。この過程において、脳はパフォーマンスを高めるからです。

できるだけハキハキとした声を意識して、内容に合わせて声の調子を変えるのもオススメです。内容に合わせて声のトーンや声色を変えようとすると、自然と内容に対する理解も深まっていくでしょう。また慣れてきたら徐々にスピードをアップすることで、脳の処理機能も高めていけます。

何かと忙しいときには、ついつい「ながら音読」になってしまいがちですが、これはあまりオススメできません。せっかくですから、自分が読んでいる内容や声に集中できる環境の中で行ってみてください。

気になるのは音読する内容についてですが、実は何でも構いません。音読トレーニングを継続するためには、トレーニングの内容にストレスを感じないことが大切です。自分にとって興味を抱ける内容を、ぜひ選択してみてください。

音読は大人にもオススメ!親子一緒の取り組みも

子供の宿題というイメージも強い音読ですが、その脳トレ効果は子供だけに限定されるものではありません。大人が音読に取り組んだ場合も、子供と同じように脳の機能を高めたり記憶力をアップさせたりする効果が期待できます。

「仕事で扱う書類の内容が、何度読んでも頭に入ってこない……」なんて経験はありませんか? こんなときにも音読は効果的です。声に出して読むことで、意外とすんなり頭に入ってくるかもしれません。子供が音読の宿題をするのに付き合って、大人も一緒に音読をしてみてはいかがでしょうか。

親子一緒に音読をする際のコツは、お互いにお互いの音読を聞くことを大切にすること。そしてお互いに褒め合うということです。読み方が上手であっても下手であっても構わないので、とにかく読めたことを褒めましょう。音読をして褒められるという一連の中で、特に子供の脳は非常に活性化することがわかっています。

親子一緒に音読をすれば、子供の宿題を通じて以下のようなメリットを得られます。

  • 親子共に脳力をアップできる
  • 子供と向き合う時間が作れる
  • 子供の自己肯定感を育める
  • 子供のやる気アップにつながる
  • 仕事の資料や資格の勉強内容を読むと、記憶の定着につながる

一度の音読は、それほど長いものでなくても大丈夫です。1日に5分程度でも十分に効果が期待できますから、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

音読でストレス対策もオススメ

大人も子供も何かとストレスフルな現代ですが、音読がストレス対策になることもわかってきています。音読をするとセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が多く分泌され、このセロトニンが精神状態を安定させ、認知症予防やうつ予防にもつながります。

なんとなくモヤモヤした気分を抱えたときには、ぜひ思い切って音読に挑戦してみてください。大きな声でハキハキと音読することで、なんだか気持ちもスッキリさせられそうですね。


「音読の宿題は、毎日同じことを読んでいて正直面倒……」なんて思うこともあるかもしれません。しかし音読と脳の関係や音読がもたらす効果を知っていれば、毎日取り組む意義を見出せるのではないでしょうか。せっかくですから、子供にやらせるだけではなく、大人も一緒に取り組んでみてください。親子そろって、脳の機能を高めていけることでしょう。

参考サイト