反抗期について知っておきたい基礎知識……時期やNG対応は?

赤ちゃんの頃は、大人の言うことを素直に聞き入れた子供たちにも、やがて自立心が芽生え始めます。大人たちが手を焼く、反抗期の到来です。思わずため息をつきたくなる親御さんも多いかもしれませんが、これも子供たちの成長の、大切な節目の一つ。きちんとした知識を身につけて、対応方法を学んでおきましょう。

反抗期はいつやってくる?

反抗期がやってくる時期は、大きく分けて2つです。2歳ごろから始まるのが、第一次反抗期と呼ばれるもの。親の言うことに対して、なんでも「イヤイヤ」。思い通りにならないと、泣きわめいたり駄々をこねたり…。「これまでは何でも素直に言うことを聞いてくれたのに」と、戸惑うパパやママも少なくありません。

いわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれる時期ですが、子供に自我が芽生えてきた証拠です。これまで、大人の言うことが全てであった赤ちゃんが、自分の考えを持ち、そしてそれを表現できるようになった証拠なのです。

もちろん、親と子供は別の人間ですから、意見が衝突してしまうのも仕方がないこと。また、子供自身、まだまだ自身の感情を受け止めきれないこと、上手に伝えられないことで、より状況が悪化してしまいがちです。

第一次反抗期は4~5歳になると落ち着くケースがほとんどです。反抗期の中で子供はたくさんのことを学び、周囲との折り合いもつけられるようになっていきます。

さらに成長して、やがてやってくるのが第二次反抗期。こちらは思春期、中学生頃にやってきます。第二次反抗期も、子供たちの心の成長の証です。自立心の高まりと共に、理想と現実のギャップや自己の模索など…さまざまな不安が反抗期のきっかけとなります。

子供の反抗期は大きく分けてこの2つですが、このほかに中間反抗期と呼ばれるものも存在しています。6歳~9歳ごろに起こるケースが多く、親や先生への口答えをしたり、わざと乱暴な言葉遣いをしたりします。

こうして見てみると、子供が迎える反抗期は、非常に長いように感じられます。「反抗ばかりされてもイライラする!」とネガティブに捉えてしまう気持ちもわかりますが、親の対応がブレなければ、子供の成長を促し、より良い親子関係を築くきっかけにもなります。子供の反抗期を恐れず、しっかりと受け止めてあげましょう。

反抗期の子供に対する、基本対応方法は?

では早速、反抗期の子供に対する親の基本対応を見ていきましょう。どの反抗期においても、大切なのは親子間のコミュニケーションです。子供が反抗しているときには、まずはその声に、じっくりと耳を傾けてみてください。子供には、子供なりの言い分があるはずです。

  • ○○をやりたかった
  • 今は××をするのが嫌だった
  • 自分一人で好きなようにやってみたい

子供の言い分に対して、思うところも多くあるかもしれませんが、まずはしっかりと聞きましょう。「そうか、○○したかったんだね」と、子供の気持ちを受け止めてあげるだけでも、落ち着く子供は少なくありません。

また、時間に余裕があるときには、思う存分挑戦させてあげることも大切です。子供の反抗心は、自立心を鍛えるためのトレーニング法の一つとなります。また、「自分のやりたいようにできるタイミングもあるんだ」ということを子供自身が学べば、「今は無理だけど、帰ってきたら好きなだけ頑張ってみよう!」という声かけも、伝わりやすくなるでしょう。

さらに、子供が自分でできる環境を用意することも大切です。食事の準備を手伝いたいなら、安全な包丁や、落としても割れない食器類を用意します。お着替えを自分でしたいなら、子供が自分で着やすい服をさりげなく準備しておきましょう。あえて選択肢を減らす工夫も大切です。事前に環境を整えておくだけでも、親子のイライラは減りますよ。

第二次反抗期になると、

  • なんとなくモヤモヤする
  • 親の言うことの全てがウザイ

なんて、より複雑な反抗心を募らせる子供は少なくありません。親としては戸惑いがちですが、基本的な対応方法は幼少期と変わりありません。子供を一人の人間として尊重し、その意見にしっかりと耳を傾けることが大切です。反抗期であっても、「自分が正しいときに、正しいと認めてくれた」という経験は、子供の心の安定につながります。

これだけはNG!子供の成長を邪魔する関わり方

では次は、反抗期にやってはいけない親の関わり方を3つ紹介します。気づいたときには親子のコミュニケーションがうまく取れなくなっていた!なんてことがないよう、十分に注意しましょう。

★命令や支配によって、言うことを聞かせようとする

子供の反抗に対して、なんとか言うことを聞かせようと思う気持ちもわかりますが、子供に命令をしたり、子供を支配したりするのはNGです。命令や支配によって反抗期を抑え込まれた子供は、「親に何を言っても無駄」という間違ったメッセージを受け取ってしまいます。第一次反抗期はそれでなんとか対応できたとしても、親子の信頼関係は育まれません。

頭ごなしに「○○するなら置いていく」「早く△△しなさい!」と伝えるのではなく、なぜそうして欲しいのか、しなければならないのか、子供にもわかるように説明してあげることが大事です。

★子供の自信を損ねる言葉を使う

子供の反抗期には、親もイライラしてしまいがちです。つい感情に身を任せ、子供の自信を損ねるような言葉をかけてしまうこともあるかもしれません。とはいえ、「あなたなんて、どうせ駄目」など、ネガティブな言葉をかけ続けられた子供は、本当にそう信じ込んでしまいます。

感情が爆発しそうになったときには、いったん子供と距離を置きましょう。物理的に距離を取ることが難しい場合には、他者のサポートも積極的に活用してみてください。

★子供の言うことを全て受け入れる

反抗期の子供の言うことに耳を傾け、受け止めることは大切なこと。しかしそれは、「子供の言うまま、全てを受け入れる」ということではありません。

反抗期の子供が言うことの中には、到底受け入れられないこともあるでしょう。また社会ルール上、どうしても「ダメ」と言わなければならないこともあるはずです。このような場合に、ズルズルと子供の言うままにしてしまうのもNGです。要求はどんどんエスカレートし、いずれ手に負えなくなってしまうかもしれません。

大切なのは「ここまでは良い、これは駄目」という線引きをしっかりとすること。そしてそのルールを、親もしっかりと守ることです。駄目なことを伝えるときには、なぜ駄目なのか、丁寧に理由を伝えるのを忘れないでください。

まとめ

子供が反抗期を迎えても、慌てる必要はありません。子供の心が、きちんと成長している証拠です。普段から「あなたを気にかけている」というメッセージを伝え、子供ときちんと向き合うことができていれば、時間の経過と共に徐々に治まっていくでしょう。

子供にとって反抗期とは、大きく成長するためのきっかけでもあります。親の立場で、上手にサポートしてあげられると良いですね。

参考サイト

参考文献

  • 反抗期乗り切りマニュアル-諸富祥彦