仕事においても日常生活においても、時間に余裕を持って物事を進めていくためには「段取り力」が必要となります。このスキルが高い人は、時間を有効活用し、さらに周囲への気配りをすることもできるでしょう。
「段取り力」とは具体的にどのような力で、高めるためにはどうすれば良いのでしょうか。発揮したいときに使えるテクニックと共に紹介していきます。
段取り力とは
段取りとは、物事をスムーズに進めていくためあらかじめ準備を整えておくことを言います。「段取り力」とは、あらゆる物事に対して、段取りをつけることができる能力のこと。あまりピンとこないかもしれませんが、仕事ができる人、物事の優先順位を的確に判断し、無駄なく動ける人は、この段取り力に優れていると言われています。
段取りをつけるためには、スマホのアプリを活用したり、スケジュール帳の管理を頑張ったりする方もいるでしょう。しかし、ここでいう段取りとは、そうした作業のことを指すのではありません。
何らかの仕事が発生したときに、「なんのためにその仕事を行うのか」という目的を把握し、その目的を達成するための方法を模索し始めます。目的を達成するための手段は、常に数パターンを用意することで、突発的な事態にも対応できるよう、準備を整えています。
仕事が発生したときに、「とにかくそれを片付けること」しか考えられないのは、残念ながら「段取り力が弱い人」と言えるでしょう。目的を把握しないままで前に進もうとすれば、時間も余裕もなくなってしまいます。
一方で段取り力が高い人は、自身の能力の高さを認識していないケースも珍しくありません。この能力を身につけている人にとって、仕事をする前に段取りをつけることは当たり前のこと。ごく自然に行っていきます。
段取り力を高めることのメリット
段取り力を高めると、大人にも子どもにもさまざまなメリットが期待できます。まずは大人のメリットについてチェックしてみましょう。
大人にとって、時間は何よりも貴重なもの。仕事をするときにも、日常生活の中でさまざまなタスクをこなす際にも、それは変わりがありません。段取り力を身につければ、同じ業務をこなす際にも「時間の短縮」につながる可能性が高いです。
また、先のことを見通して行動できるため、周囲の人に対する気配り・目配りも自然にできます。段取りをつける段階でいくつかの選択肢を用意することで、「突発的な場面においても、相手に合わせて行動しやすい」という利点もあります。
段取り力が高い人は、ほかの人よりも多くの仕事をこなせますし、周囲からの人望も厚くなりやすいです。仕事における評価も高まるでしょう。
子どもの場合は、学習面や自制心を発揮する場面において、メリットが期待できます。先を見通し、段取りよく学習を進めていくことで、成果も上がりやすくなります。また、子ども時代にはさまざまな誘惑も付き物ですが、「先を見通す能力」があれば、そうした罠にハマる可能性も低くなります。自分の力で、人生を切り開いていく力にもつながっていくはずです。もちろん大人になってからも、段取り力は強い味方となってくれます。
段取り力を高めるには
段取り力を高めるためには、まずは「ゴール」を明確にする必要があります。当たり前のことのように思えますが、段取り良く物事を進めていくためには、欠かすことができないステップとなります。
目標が明確になれば、次はその実現のために何が必要なのか考えましょう。大切なのは、ゴールからスタートまで、逆算して考えることです。必要な仕事をいくつかのステップに分けて、「何をどうすれば目標にたどり着けるのか」という点を明確にします。こうして出来上がった行程は、紙に書きだしておくことをオススメします。
紙に書きだしてみることで、「無駄なこと」や「自分にとってやりたいこと」、「やった方が良いこと」なども見えてくるはずです。どんどんブラッシュアップしてみましょう。
また、ときには、「目的はわかっていても、何から手をつけるべきかわからない」なんてこともあるはずです。このような場合には「まずは簡単にできることから、一つ一つ片付けていく」という方法を取ることも大切です。
また、普段から、目的を達成するための手段について、さまざまな情報を集めておくことも重要です。自分だけでは解決できない問題の場合、周囲の人を頼ることで突破口が見えてくることもあります。このような場合には、段取り力と共にコミュニケーション能力が必要になることも多く、同時に鍛えておくことをオススメします。
段取り力を発揮したいときに使えるテクニック
段取り力を発揮したいときに、ぜひ活用していただきたいのがTo-Doリストです。自分及びチームがやらなくてはならないタスクを書き連ねたTo-Doリストは、ビジネスにおいては「基本」とも言えるもの。どのように作成するか、自分なりのテクニックを有している方もいるでしょう。
とはいえ、チームで仕事をする場面で段取り力を発揮するなら、そのチームに所属している人全てにとって「見やすく理解しやすいリスト作り」を意識する必要があります。紙のスケジュール帳に書きだす方法も良いですし、状況によってはデジタルのリストを活用した方が、便利に扱えるケースもあるでしょう。
また、リストの使い方についても、メンバー全員でルールを共有する必要があります。これにより、目標に向けて最短ルートでタスクを進めていくことができます。
子どもが段取り力を発揮するためにも、このリスト作りは有効な方法です。目標を達成するためには、具体的にどのような手順が必要なのか、書き出すようにサポートしてみてください。To-Doリストを作成することが習慣になれば、成長と共に自分だけでツールを使いこなすことができるようになります。一生使えるテクニックとして、ぜひ身につけておきましょう。
段取り力は、物事をスムーズに進めるため、また、自分自身の評価を高めるためにも有効なスキルです。決して派手な能力ではありませんが、身につけておいて損はありません。どのような場面でもごく自然に段取り力を発揮できるよう、トレーニングを積んでみてはいかがでしょうか。
参考サイト
- 仕事の「段取り力」を高めるための7つの方法―TABI LABO
- 段取り力とは何か―中村一八の知心コラム|ニューエア
- 残業ゼロの人の「段取り力」とは バタバタ・ギリギリにならないために―ZUU online | 新時代を生きるための経済金融メディア
- 段取り力を高める30の方法―HappyLifeStyle – 人生の教科書
- ビジネススキルの見極め方|「段取り力」~目標達成までのステップを構築する能力~―中途採用サポネット マイナビ転職による中途採用担当者のための情報サイト
- リーダーがとるべき『段取り術』―システムインテグレーション企業の株式会社日立ソリューションズ
- 段取り力を身につける―キャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントなどの通信講座・通学講座は、日本マンパワー
- 少数精鋭で成果を上げる!個人とチームが取組む「段取り術」―税理士 桐元久佳/日新税理士事務所/大阪市中央区
- ToDoリストの管理がうまくなる7つのコツ―ライフハッカー[日本版]