思考力とは、「考える力」のことを言います。学生時代の学習にも、社会人になってからの仕事にも、自分自身のプライベートをより一層充実させるためにも、欠かせない力であると言えるでしょう。近年注目度も増している思考力ですが、伸ばすためにはどうしたら良いのでしょうか。思考力を高めるメリットと共にお伝えします。
なぜ思考力が必要なの?
思考力とは、物事を考え、問題を解決に導くための能力です。自分が過去に身につけた知識を、その場面に応じた形で応用し、役立てることができる力と言い換えても良いでしょう。
- 過去に学習した内容を、別の分野に活かす
- これまでの実績をもとに、新たなビジネスにつなげる
- 過去の問題解決事例の中から、現在の問題を解決へと導く
- トラブルが起きた際に、「なぜこうなったのか?」に目を向けて、根本的な解決を目指す
これらの行動に必要となるのが、思考力です。より良いゴールへとたどりつくために、思考力は必要不可欠な能力だと言えます。
なぜ今思考力の注目度が高まっているのかというと、高性能なAIが登場し、徐々に一般の生活にも浸透してきているためです。ただ単純に知識を暗記するだけでは、AIに勝つことはできません。AIの活用が当たり前になった社会の中で、人間が人間として活躍するために必要となるのが思考力なのですね。
思考力が高いことは、人間らしさの表れでもあります。また、自分自身で問題を発見し、解決を目指せるということでもあり、さまざまな分野で高く注目されています。
急激に社会が変化している現代だからこそ、大人はもちろんのこと、子供の教育においても特に意識したいポイントの一つです。
思考力の種類について
これからの社会を生き抜く上で、重要視されている思考力。実は思考力にもさまざまな種類が存在していて、状況に応じて適切な力を使い分ける必要があります。
思考力の種類は、具体的に以下のとおりです。
- 論理的思考
- 戦略思考
- 批判的思考
思考力を高めたい!と思うときに、注目されがちなのが論理的思考力です。ロジカルシンキングとも呼ばれ、論理に基づいて考える方法を指します。物事を順序立てて考えることで、妥当な結論を導き出したり、多くの側面から情報を判断し、物事をより多角的に思考したりします。
論理的思考で導き出した答えが、常に正しいとは限りませんが、他者を説得する際には非常に役立つ思考法です。調査書や報告書を作成する際にも、論理的思考力が役立つでしょう。
戦略思考は、具体的な目標を定め、それを達成するための方法を探る思考法です。自身の環境の中に課題を見つけ、それを改善して成長したいと思うときには、戦略思考が役立ちます。ビジネスはもちろんのこと、学習や趣味の世界でも活用できます。
最後の一つ、批判的思考はあえて逆からの視点で物事を考えるというもの。当たり前のように思えることでも、「本当にそうなのだろうか?」と疑問を抱いて追求することで、これまでは見えなかった事実が見えるようになります。思考によって導き出した答えを、より一層ブラッシュアップしたいときに役立つでしょう。自身が置かれた状況に合わせて、ぴったりな思考力を活用してみてください。
思考力を伸ばすためのおすすめトレーニング法
ここからは、思考力を伸ばすための方法を具体的にチェックしていきましょう。大人も子供も実践できるトレーニング法を紹介するので、家族みんなで取り組んでみるのもおすすめです。
★少し難しい本をじっくりと読む
そのまま読んでも内容がわかりにくい「難しい本」は、人間の思考力を刺激してくれるもの。じっくりと時間をかけて、理解しながら読み進めることで、思考力を伸ばせます。大人であれば、ビジネス書や資格取得用テキストなどを活用するのがおすすめです。子供の場合は、新聞を利用すると良いでしょう。一つの記事を、じっくりと考えながら読むことで、思考力トレーニングにつながります。簡単すぎず、難しすぎず、ちょうど良いレベルの教材を選択しましょう。
★「気づき」を敏感にキャッチする
思考力が高い人は、いろいろな情報を関連付けて状況を判断することができます。このため、普通の人が見逃してしまいがちな些細な変化にも、気づきやすいという特徴があります。こうした特徴を、ぜひ思考力アップのトレーニングにも取り入れてみましょう。
日常生活の中で、できるだけ多くの変化を意識して気に留めてみてください。「なぜそのように変化したのか?」にまで意識を向けられると、なお良いです。親子一緒に、「今日の気づき」というテーマでトークを楽しんでみるのもおすすめです。
★マルチタスクで作業を行う
同時進行でいくつかの作業をこなしていくことも、思考力アップにつながります。マルチタスクで作業を行おうとすれば、それぞれの作業に集中するだけではなく、全体を管理する力が求められます。常に広い視野で、物事を総合的に判断することが求められ、思考力トレーニングにつながります。子供の場合、成長度合いに合わせて、簡単なものを少数から組み合わせていくのがおすすめです。お手伝いに取り入れてみるのも良いでしょう。
まとめ
思考力が高い人は、ビジネスにおいても評価の対象にされやすいですし、自身のプライベートも充実させることができるでしょう。自分の課題を自分で見つけ、それを解決することで自分自身の成長にもつながります。特にこれからの時代は、身につけておくべきスキルの一つと言えるでしょう。
思考力を高めるためのトレーニングは、どれも決して難しいものではありません。ただし残念ながら、即効性が期待できるものでもないので、根気強く継続していく必要があります。日々の習慣として、ぜひ思考力アップに取り組んでみてください。