語彙力は幼児期から意識して高めよう!鍵を握るのは親の言動

語彙力とは、「どれだけの言葉を知っていて、実際に使いこなせているか」という能力のことを言います。学生時代の学習効率アップ・将来的な職場での評価アップのためにも、幼児期からきちんと育てておきたい能力の一つと言えるでしょう。

語彙力の重要性や、幼児期からの働きかけの基本について解説するので、ぜひチェックしてみてください。

なぜ語彙力は必要なのか?

私たちは普段、言葉を使って日常的なコミュニケーションを楽しんでいます。自分の感情を伝えるときにも、ビジネスの進捗状況を上司に報告するときにも、必要となるのが「言葉」なのです。

語彙力がある人は、自身の中にストックされている大量の言葉の中から、周囲の状況や自身の感情に合った、最適な一つを見つけ出すことができるでしょう。それはそのまま、言葉の選択肢の幅が広がるということでもあります。

一方で、語彙力がない人はどうでしょうか。自分の感情を「ヤバイ」としか伝えられなかったり、上司への報告が常に同じで稚拙な印象になってしまったりします。本人の印象や仕事の評価も、語彙力によって決定されかねないのです。

幼児期の子供にとって、より身近な将来を考えてみても、語彙力の重要性は明らかです。このスキルがなければ、まずテストの問題の意味が把握できません。国語の長文読解はもちろんのこと、その他の科目においても、理解できないポイントが増えていってしまうでしょう。

日々の授業においても、同様のことが言えます。先生の言っている内容が理解できなければ、「勉強=楽しい」とは感じられませんし、「つまらない→聞きたくない→わからない」という負のループに陥ってしまう可能性もあります。

もちろん幼児期の子供にとって、「語彙力さえ高めておけば良い」というわけではありません。しかし近年、インターネットやSNSの発達と共に、語彙力の低下が問題視されてきています。残念ながら語彙力は、鍛えようとしてすぐに鍛えられるものではありません。だからこそ幼児期から、意識してトレーニングすることが重要なのです。

子供の語彙力は、家庭環境によって大きな差が出る

子供の語彙力に非常に大きな影響を与えるのが、周囲の環境です。子供の頃から、「うれしい」も「おいしい」も「恐ろしい」も、すべて「ヤバイ」と表現する環境で育ったとしたら…残念ながらそれ以外の言葉を知るチャンスは、非常に少なくなってしまうでしょう。

反対に、普段から身近な大人が豊富な語彙力で言葉がけをしていたとしたら、子供たちは素直な心で、いろいろな言葉を吸収していきます。「特別なことは何もしていない」という感覚であっても、子供たちの能力を自然と高めていけるはずです。

現在の日本の子供たちは、就学前に約2,000の語彙を身につけていると言われています。しかし、当然ながら子供たちの中にも個人差はあり、中学受験で出されるような難しい言葉を知っている未就学児もいれば、2歳児レベルの単語がわからないという子供もいます。子供の語彙力の差は、家庭で使われている語彙数の差によって生まれるという説もありますから、できるだけ早めに準備を整えておきましょう。

言葉の力が身についている子供は、学年が進むにつれて学力がアップしやすいとも言われています。授業の内容が難しくなっても、先生の話をきちんと理解しながら進んでいけるからです。子供の語彙力を育てることは、将来の可能性を広げることにもつながります。

親が意識したい、幼児期からの語彙力アップのコツ

ではここからは、幼児期の子供の語彙力をアップさせるために、親が実践できる方法を紹介します。どの方法も、子供に無理にやらせても意味はありません。親子一緒に、楽しみながら取り組んでみてください。

★クイズやしりとりを楽しむ

子供が楽しみながら語彙力をアップさせる方法として、おすすめなのが「言葉遊び」です。しりとりで、知っている言葉を繋いでいくだけでも効果は抜群。子供が知らない言葉が出てきたときには、それがどんなものなのか、丁寧に説明してあげましょう。

しりとり以外にも「黒くて空を飛んでいて、ゴミ捨て場でもよく見かける生き物はなんだ?」なんてクイズを出し合いっこしてみるのもおすすめです。対象の名前はもちろんのこと、それを形容する言葉の種類も、併せて学習することができます。クイズを出す側と回答する側は、順番で交代してみてくださいね。

このほかにも、ダジャレ遊びや回文づくりなどがおすすめです。子供が「楽しい!」と思ってくれる遊びを探してみてください。

★子供との会話を丁寧に行う

忙しい毎日の中で、つい疎かになってしまいがちな何気ない会話。しかしここを丁寧に行うことで、子供の語彙力を高めていけます。園から帰宅した子供に、「今日は何が楽しかった?」と聞いてみましょう。あとは子供の答えにじっくりと耳を傾けます。質問と答えがかみ合っていなかったら、さりげなく訂正しましょう。

また「そのときどう思ったの?」なんて、親が掘り下げていく作業も重要です。子供の語彙力が足りずにうまく説明できないときには、親が代弁してあげましょう。このときのコツは、とにかく親が楽しく、興味深そうに聞くことです。おやつの時間や夕食の時間などを、これに充てるのもおすすめです。

★本の感想を話し合ってみる

語彙力をアップさせるトレーニング法として、おすすめされやすいのが「読書」です。確かに読書をすれば、普段あまり聞き慣れない言葉にも触れられるというメリットがあります。

とはいえ、本で読んだだけの言葉を、すぐにそのままアウトプットできるわけではありません。また、なんとなく理解したような気になって、読み飛ばしてしまうことも考えられます。

そこで、読書による語彙力アップをより確実にするために、おすすめなのが「感想交換」です。親子で同じ本を読んで、どこでどんな風に感じたのか、ぜひ語り合ってみてください。子供に苦手意識がある場合は、まず親が感想を伝えることで、ハードルを下げられるでしょう。語彙力の向上だけではなく、表現力向上にもつながります。

まとめ

より豊かな人生を送るために、必要なのが語彙力です。幼い頃から継続的に学んでいくことが、語彙力アップの近道だと言えるでしょう。そのためにも、ぜひ幼児期からの適切な働きかけを実践してみてください。

語彙力を意識しながら子供と一緒に生活してみると、自分自身の語彙力のなさに気づかされる場面もあるでしょう。こんなときでも、焦らなくて大丈夫です。子供と一緒に、一つ一つステップアップしていけたら良いですね。親子一緒に楽しみながら、語彙力を高めていきましょう。

参考サイト