子供の成績アップにも、大人のコミュニケーション能力アップにも、欠かせないと言われているのが「読解力」です。成長と共に自然と身につくと考えるのは危険です。大切な能力だからこそ、自分自身でしっかりと意識して、伸ばしていきましょう。
そこで今回は、大人も子供も知っておきたい「読解力の基本」と共に、効果的なトレーニング法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
読解力をアップさせるのに重要な要素
国語の学力を伸ばすために欠かせないのが「読解力」です。近年、子供たちの読解力が低下していると言われていますが、読解力が関係するのは、国語だけではありません。算数や理科、社会などの成績が伸びないという背景には、「読解力が欠けていて、そもそも問題文が理解できていない」というケースも少なくないのです。
そんな読解力ですが、「具体的にどのような能力なのか、抽象的でよくわからない」と感じる方も多いことでしょう。読解力には、以下の3つの要素が関わっています。
- 語彙力
- 要約力
- 思考力
あらゆる形の文章を正しく理解するためには、これらの能力が欠かせません。そもそも語彙力がなければ、文章の意味を正しく読み取ることは不可能になってしまいます。また文章を要約するということは、文章の本質をつかむということ。自分自身の頭の中でしっかりと思考できるようにトレーニングすることで、読解力はぐんぐんと高めていけるでしょう。これら3つの能力の中の、どれか1つでも欠けていると、読解力は思うように伸びていきません。「この中の1つだけが足りていない」というケースもあれば、「全てが満遍なく足りていない」というケースもあるでしょう。
自分自身の弱点を知ることも、読解力をトレーニングしていくためのコツとなります。残念ながら「集中的にトレーニングして、一気に読解力を高める」ということは不可能です。毎日の積み重ねで、少しずつ成長させていきましょう。
読解力をアップさせるのに効果的なトレーニング
読解力を高めるために意識したい、3つの要素。これらを鍛えるためには、以下のトレーニングを実践してみてください。自分の弱点を補う意識で、取り組みましょう。
★語彙力を高めるためのトレーニング
語彙力を高めるためには、まず「たくさんの言葉に触れる」ということが大切です。その中には、「初めて聞いた」「聞いたことはあるけれど、実はよくわかっていない」という言葉もあるでしょう。こうした言葉を素通りせずに、その場ですぐに調べることが大切です。
自分自身の中に知識を積み重ねていくイメージで、確実に知っている言葉の数を増やしてみてください。
★要約力を高めるためのトレーニング
文章の本質をとらえるために必要な要約力も、「とにかくやってみる」というのが、もっとも効果的なトレーニング法となります。最初は「50文字の文章を30文字に要約する」など、難易度の低いものからスタートしましょう。
要約トレーニングは、要約後の文字数制限が少なければ少ないほど、難易度が高くなります。文字数制限を守るために、情報をシビアにそぎ落としていかなければならないからです。
新聞記事を使って要約する癖をつけるのも良いですし、子供であれば、市販のテキストを購入するのも良いでしょう。
★思考力を高めるためのトレーニング
思考力を高めるためのトレーニングは、日常生活の中で行うことができます。誰かと会話をするときには、常に「考える」習慣を身につけてみてください。
たとえば「昨日はゴルフもできなかったんだよね」と言われたときに、そのまま素通りするのはオススメできません。「なぜできなかったんだろう」「ゴルフも、ということは、何かほかにも問題があったのかな?」なんて、考えながら会話を膨らませていくと良いでしょう。
相手の話に興味を抱きながら会話するようにしてみると、相手との距離も縮まるはず。思考力を高めるためのトレーニングにもなります。
読解力は、全ての科目の基本であり、そして大人の社会生活においても、非常に重要な役割を果たしている能力です。「よくわからないから」という理由で、読解力の無さを放置するのはオススメできません。「文章の意味を読み取るのが苦手」と感じたら、ぜひ積極的に読解力トレーニングを行ってみてください。やればやるほど、着実に力をアップさせていけます。