子供たちの健やかな成長のために、無視できないのが日々の生活習慣や家庭環境についてです。生活習慣が乱れている子供や、落ち着かない家庭環境の中で育つ子供は、精神的にも肉体的にも、そして学業面でも不安定になってしまいがちです。
生活習慣や家庭環境が重要な理由や、近年これらが乱れていると言われる理由について、また健やかな成長をサポートするための生活全体の整え方などを解説していきます。
生活習慣や家庭環境が乱れると成績は上がらない?
子供の成績と、生活習慣及び家庭環境には、深い関係性があると指摘されています。成績が良い子のデータを集めてみると、生活習慣がしっかりとしており、さらに安定した家庭環境の中で過ごしているケースが多いことがわかります。これはつまり、どれだけ成績が伸びる力があっても、生活習慣や家庭環境の乱れによって、子供の成長が阻害されてしまう可能性があるということです。
ではなぜ、生活習慣や家庭環境が乱れると、子供たちの成績に悪影響を及ぼしてしまうのでしょうか。まず生活習慣についてですが、睡眠不足になれば、学校で眠くなってしまうことが考えられます。食事のリズムが崩れれば、授業の内容に集中するのが難しくなってしまうかもしれません。
日常的に際限なく好きなことだけをしているような環境では、子供の忍耐力や自制心が十分に育たないでしょう。「つまらないことはしなくてもいい」など、楽な方向へと流されてしまうリスクも指摘されています。
また生活習慣と同じぐらい重要なのが、家庭環境が安定しているかどうかです。これは必ずしも、「親が高収入でなければならない」ということではありません。それよりもむしろ、親が子供に対して関心を寄せ、毎日温かい雰囲気の中で過ごせているかが重要視されます。
身近な大人が自分自身のことを常に気にかけてくれれば、子供たちは安心して、自分自身の活動に集中できるでしょう。また勉強面でわからないことが発生した場合でも、距離感が近い周囲の大人に直接聞き、問題を解決しやすいという特徴があります。
一つ一つは非常に小さなポイントに思えますが、日々の積み重ねが成績の差を生み出してしまうのでしょう。
生活習慣や家庭環境が乱れている子供が増えている!
文部科学省によると、生活習慣や家庭環境の乱れが原因で、さまざまな問題を抱えてしまう子供の数が近年増加していると言われています。基本的な生活習慣や態度が身についていなかったり、他者とのコミュニケーションが取れなかったり、規範意識が十分に育っていなかったりすることから、小学1年生の段階で、「授業を集中して聞けない」といった問題が発覚するケースも少なくありません。
なぜこのような子供が増えているのかというと、社会全体の変化や地域社会における子供の教育力の低下、子育て環境の変化が大きな影響を与えていると言われています。
少子化や核家族化によって、子供同士、家族同士で触れ合う機会が減少している現代の子供たち。ゲームやネットの発達と共に、家の中で遊ぶことも増え、地域社会の中でのつながりも薄れてきています。さらに、子育て中の親が抱える問題も決して小さなものではありません。育児中に孤独感にさいなまれる方もいれば、仕事と子育ての両立に悩む方もいます。さまざまな要因が積み重なることで、子供にとって理想的とは言えない環境が出来上がってしまっていると考えられます。
今すぐ実践できる、気を付けるべきポイントとは?
生活習慣や家庭環境が原因で子供の成績が上がらない場合、乱れを正すことで、問題を解決できる可能性があります。特に子供自身が以下のような言葉を口にしたら、生活全体を整えることを意識してみてください。
- 勉強しているつもりなのに結果が出ない
- 落ち着いて勉強できる環境じゃない
勉強しているのに実際にはできていないケースや、そもそも勉強できる環境が整っていないケースは、決して少なくありません。こうした子供たちの場合、ほんの少しの工夫で劇的な成績アップが見込める可能性もあるでしょう。
具体的には、以下のポイントを意識してみてください。
- 早寝早起き
- 1日3食、バランスの良い食事をとる
- ゲームやインターネットは時間を決めて楽しむ
- あれもこれもと勉強の幅を広げ過ぎない
早寝早起きと毎日の食事は、健康な心と身体を作るために欠かせないもの。早寝早起きとは言いますが、生活リズムがすでに乱れている場合、まず「早起き」の方から取り組むのがおススメです。自然と寝る時間も早くなっていきます。
中毒性のあるゲームやネットは、ルールを設定しそれを守りながら楽しみましょう。自制心や計画性を育てることにもつながります。
最後のポイントは、あれもこれもと勉強する範囲を広げ過ぎないこと。結果的に集中できず、何も身にならない……なんてことも考えられます。それよりも、これと決めた問題集を完璧にする意識で取り組んだ方がより効果的です。
次は、家庭環境に関する改善ポイントです。
- 親子の楽しい会話を増やす
- 子供の学校での様子や学習状況に興味を示す
- 積極的に褒め言葉を伝える
- 親が子供に、感謝の気持ちを素直に伝える
- 子供は別人格と心得て、相手の意見をきちんと聞く
子供の学びのきっかけは、親子間の楽しい会話の中に隠されているケースも多いものです。普段から会話が多い家庭においては、身近な不思議や世界情勢など、さまざまなネタが飛び出すことでしょう。親子一緒に学ぶ意識で会話を楽しむことで、自然と知識量を増やしていけます。
また子供の成績アップを目指すのであれば、親のフォローが必要不可欠です。できているところを認めて褒め、できていないところを確実に教えていくだけでも、子供は孤独感なく勉強することができます。親に褒められれば承認欲求も満たされ、よりモチベーションを高めることもできるはずです。
さらに親にとっては、子供を一人の人間として認め、適切に扱うことも重要なポイントです。全てを自分の思い通りにしようとせず、子供の意思を尊重することで、子供が安心して過ごせる家庭環境につながるでしょう。
子供の成績に悩んだら、まずは生活習慣と家庭環境の見直しをしてみませんか?成績が上がらない原因は、意外と身近なところに隠れているのかもしれません。一つ一つ丁寧に見直していくことで、親子関係の改善にもつながっていきそうですね。成績アップだけではなく、より快適な生活を作るコツとも言えそうです。