脳の発達は5歳までが最重要!成長の仕組みと適切な働きかけとは?

子供の脳の発達のためには、幼児期までの適切な関わりが重要だと言われています。とはいえ、子供の人生は幼児期以降も長く継続していくもの。「幼児期までが重要と言われても、ピンとこない」と感じるのも、当然かもしれませんね。

そこで今回は、幼児期の脳の特徴や幼児期ならではの重要性、どう関わっていけば良いのかを具体的にお伝えします。より豊かな人生を送るため、子供の脳の発達を促したい!と思うときには、ぜひ参考にしてみてください。

人間の脳は、幼児期までにほぼ完成するという現実

人間の脳は、生まれてすぐの頃は400グラム程度です。その後急激に発達し、3~4歳頃には成人の約8割の大きさになります。

乳児期から幼児期にかけての脳の発達は、単に大きさや重さだけではありません。この時期に子供ができるようになることを考えてみれば、脳の発達具合は一目瞭然。3歳~5歳を迎える頃には、脳の8割はすでに完成していると言われています。

つまり脳の機能を高めるためには、脳が急激に発達していく時期に、適切な関わりをすることが非常に重要だと言えます。子供時代に、脳にどのような影響を受けたのかは、その子の将来にも深く関わってきます。

  • 学業成績
  • 考え方の癖
  • 性格
  • 人生における幸福感

幼児期の脳の発達は、これらの分野に非常に大きな影響を与えます。子供の人生のために出来る限りのことをしてあげたい!と思ったら、幼児期の脳をどう育て、守っていくかが、親にとっての非常に重要な課題だと言えるでしょう。

早期教育よりも大切なこととは?

幼児期までに脳のほとんど全てが完成すると言われると、「じゃあ脳が完成するまでに、とにかくいろんなことを吸収させなければ!」と思う方もいるかもしれません。実際に、幼児期から早期教育をスタートするご家庭も少なくないと思われます。

しかし、子供の脳の発達には、適切な順序が存在しています。この順序を無視してとにかく知識を詰め込もうとしても、心身ともに健やかな発達は期待できなくなるでしょう。

人間の脳にはさまざまな役割があり、乳児期にまず育てるべきは人間の命や本能に関わる部分です。つまり睡眠や食事のリズムをしっかりと整えて、脳がそれを当たり前と感じられる状態へと近づけていきましょう。5歳までに完成に向かうのは、脳の機能の中の主にこの部分だと考えられています。

命や本能に関する脳が発達すると、次は言語や思考などに関わる脳の機能が成長し始めます。学力向上につながるのは、主にこの部分です。両方の脳が発達した後に、自制心や心を育てていくことができます。

生活リズムに関する脳がきちんと発達していないうちから、学力を向上させるための取り組みをしても、健やかな発達にはつながりません。睡眠不足や栄養不足の状態から、脳だけではなく心や身体の成長にも支障をきたしてしまうと考えられます。

このため、幼児期の子供の脳を発達させるために以下のことが重要なのは、極めて当たり前のことばかりです。

  • 安心して過ごせる環境を用意してあげる
  • 毎日一定の時間に眠るよう、働きかける
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • 一日三食、バランスの良い食事を提供する
  • 外遊びをして、太陽の光をしっかりと浴びる

一見すると脳の発達とは関係ないように思いがちですが、幼児期に「当たり前の環境」として用意してあげることで、その後の成長にも良い影響を与えてくれることでしょう。

幼児期の子供の「楽しい!」「やってみたい!」を刺激しよう

子供が幼児期を迎え、生活リズムがきちんと整ってきたら、次はいよいよ言語や思考に関する脳を育てていきたい時期に差し掛かります。このときにも、重要なのは子供が主体的に学べる環境を用意するということです。

幼児期の子供にとって、生活の全てが学習につながるもの。この一つ一つの機会を大切にすることで、自然と脳を発達させていけるでしょう。

具体的には、子供の好奇心を大切にしてみてください。

  • ○○をしたら楽しかったから、もっとやりたい!
  • △△をしたらどうなるんだろう?
  • 大好きなことは、いつまでだって取り組んでいたい!

このような思いは、子供の脳を成長させてくれるもの。出来る限り尊重してあげることが、今後の発達につながっていきます。

子供が楽しいと感じているとき、脳内にはドーパミンと呼ばれる物質が多く分泌されます。ドーパミンは、人に快楽をもたらしてくれるもの。楽しいことをして快感を得られれば、「もっとやりたい!」という気持ちは自然と強くなるはずです。このサイクルを子供の頃に完成させることができれば、その後の人生において、非常に大きな成功につなげていくことも可能となるでしょう。

このサイクルが完成する時期も、5歳頃の幼児期だと言われています。子供が幼い時期には、つい大人の都合を優先させてしまいがちですが、子供自身の興味・関心をできる限り優先することこそが、脳を発達させるための適切な関わりと言えるのかもしれませんね。


今回は、幼児期の脳の発達について解説してきました。脳が発達する順番と適切な関わり方を意識することで、子供の可能性を大きく広げていけるのではないでしょうか。幼児期だからこそ、子供の脳のためにしてあげられることは多くあります。心と身体、そして脳を健康的に伸ばしていきましょう!

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