知能指数を表す「IQ」と共に、近年注目されているのが心の知能指数とも呼ばれる「EQ」です。感情指数という呼ばれ方をすることもあり、人間関係を円滑に進めていくためには高いEQが必要だとされています。
とはいえ、「自分自身の感情をコントロールするのは難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。EQを高めるために必要とされる、感情コントロールのコツについてお伝えします。
感情的にならないためのポイント
人間には「感情」があり、人間が人間らしく生活していくために欠かせないものだと言えるでしょう。しかし、ときには、自分の感情、そして周囲の人々の感情に振り回され、うんざりしてしまうこともあるのかもしれませんね。友人関係や家族関係、そしてビジネスの場において、ただ単に自身の感情をぶつけることはオススメできません。相手の態度を硬化させてしまうでしょう。
感情的にならないためのコツは、まず自分自身の感情をきちんと把握することが必要です。今の自分がどのような感情を抱いていて、どのように利用するべきなのか、またなぜそのような感情を抱いているのかを、理解できるようになりましょう。もちろん「自分自身の気持ちを見つめる」という行為は、最初から、自然にできるものではありません。
感情が揺れ動いたときには、まずは深呼吸をして肩の力を抜くことを意識してみてください。ほんの少しでも時間を置くことで、自身の感情と距離を置き、客観的に見つめなおすことができるはずです。
単純に「怒っている」と感じているときでも、冷静に考えれば、その裏に「悲しみ」が隠れているケースもあるかもしれません。感情の理由にまで目を向けることで、「隠れた本当の気持ち」にスポットを当てることが可能となります。そして状況に合わせて感情をコントロールし、もっとも適切な形で利用できる可能性も高まるでしょう。
感情をコントロールするコツ
感情のコントロールができるようになり、EQが高まれば、人間関係で悩むことも少なくなるはずです。自分自身、そして周囲の人の感情に振り回される可能性も少なくなります。
そのためには、いくつかのコツを知っておく必要があります。以下の3つのコツを参考にしてみてください。
1.自分が苦手なステップを確認し、訓練する
感情のコントロールには、感情の識別・利用・理解・調整の4つのステップが必要だとされています。ただし人間にはそれぞれ弱点があり、それが感情のコントロールを阻んでいる可能性があります。自分の気持ちを見つめるのが苦手な人もいれば、相手に伝える際の「調整」で苦労する人もいるでしょう。自分の苦手分野を把握したら、それを改善するための訓練をします。
2.他人の感情に興味・関心を抱く
感情のコントロールをするためには、自分の感情だけではなく、相手の感情にも目を向ける必要があります。それをしなければ、感情の利用や調整は不可能だからです。目の前の人が今どんな感情を抱いているのか、興味を持って観察してみてください。また、自分とは異なる感情を持つ相手を知り、ときには受け入れることも大切です。
3.完璧を目指さない
感情のコントロールができるようになっても、残念ながらすべての問題を解決できるわけではありません。「どうしてもうまく付き合えない人」がいるのも当然のこと。こんなときには完璧を目指さず、つながりを絶つ勇気を身につけることも必要です。
感情のコントロールは、心地よいと思える人間関係を築くための基礎となるものです。きちんと自分でコントロールできることが、ストレス減にもつながるでしょう。EQは、大人になってからよりも子ども時代の方が伸びやすいと言われています。もし身近な子どもの「感情コントロール」に悩んでいるのであれば、ぜひ「EQ」にも目を向けた指導を行ってみてはいかがでしょうか。