文章力は、自分の考えやプランなどを、明確に、ときに魅力的に伝えるために必須の能力です。仕事をしていれば、各種書類や企画書など……書面でアイデアを提出する機会は多いもの。ここで能力を発揮できるかどうかで、評価が決まってしまう可能性もあります。
では具体的に、文章力とはどのような能力で、どうトレーニングしていけばよいのでしょうか。効果的な方法や、実践したいテクニックを紹介します。
文章力の重要性
まずは文章力という能力の特徴と共に、「なぜ重要なのか」について知っておきましょう。文章力とは、「まとまった考えや自身の感情を文章で表現するための力」です。
とはいえ文章とは、「どのような場面で使われるのか」によって、好ましい雰囲気が変わってくるもの。「親しい友人への手紙」と「上司に提出するための報告書」では、求められる文章は大きく変わってくるでしょう。読み手や状況に合わせて、適切な文章を選んで使える力も、文章力の一つと言えます。
ビジネスにおいて文章力が重要だと言われるのは、活用する場面が非常に多いためです。
- 提案書
- 企画書
- 報告書
- 依頼文
- 日報
- 営業メール
ビジネスの場で活用される文章は、多岐にわたります。そしてこれらの文章は、「正しい形で書かれている」だけではなく、「読み手の心に訴えかける力を備えている」のが理想です。
文章は、言葉とは違って、後から何度でも読み返すことができるもの。文章力の無さが露呈してしまうと、以下のような印象を抱かれてしまう可能性があります。
- 文章作成に必要な情報収集がきちんとできていない
- ビジネス文書の意味や目的を把握できていない
- 論理的思考力が弱い
文章力が高い人は、日常的に効率よく情報収集し、相手や状況に合わせて上手に取捨選択しています。優れた論理的思考力で、文章を組み立てていると言って良いでしょう。
文章力がない場合は、真逆の印象を抱かれてしまいます。仕事をする上で、イメージダウンにつながってしまう可能性も高いのです。
文章力をアップさせるトレーニング
自分の能力を周囲にアピールするために、文章力は重要なポイント。しかし、実際には「情報を文章にするのが、あまり得意ではない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。こんなときでも、焦る必要はありません。適切なトレーニングを繰り返していくことで、文章力は確実に高められます。
★多くの文章に触れてみる
文章力を高めるための最短ルートは、「上手だな」と思う文章を真似してみるということです。もちろん、内容をそのままコピーするわけではありません。構成方法や文章の繋げ方、わかりやすいと思えるポイントを参考にして、自身の文章に取り入れていくのです。
良質な文章にたくさん触れて、「使える表現」を自分の中にたくさんストックすることができれば、文章力は確実にアップします。さまざまな言い回しも身につくので、表現力も高まるでしょう。
★とにかく書いて、読み返す
文章力に自信がないという人は、「そもそも普段文章を書かない」と言う方がほとんどです。文章力は、書けば書くほど高まるもの。どんな文章でも良いので、「とにかく書いてみる」ということを、習慣にしてみてください。
このときのコツは「自分で書いた文章を、後から読み返してみる」ということ。ミスを無くし、さらに表現力を高めることで、より良い文章へと近づいていきます。この作業を何度も繰り返すことで、文章はどんどん良くなっていきます。コツがつかめれば、最初から「上手な文章」を書きやすくなります。
★他人にチェックしてもらう
文章力を高めるためには、他人の目を取り入れるのも効果的です。自分の文章の癖は、自分では把握しづらいもの。だからこそ、他者からのアドバイスが重要な意味を持ちます。アドバイスしてもらうなら、文章力が高い人を選んで依頼しましょう。効率よく成長していけます。
文章作成で使えるテクニックなど
文章力を高めたい!と思ったときには、より魅力的な文章に見せるためのテクニックを使うのもオススメです。以下のテクニックを参考にしてみてください。
★PREP法
PREP法は、文章を作成するための基本テクニックです。Point・Reason・Example・Pointの4つの頭文字で作られた言葉で、この順番通りに文章を作成することで、読みやすくまとまりのある仕上がりになります。Pointとは、要点のこと。これから伝える内容の要点を、最初にズバリ伝えておきます。その後にReason(理由)とExample(例)を並べることで、説得力を増すことができます。最後にもう一度Point(要点)を持ってくることで、読み手の印象に残りやすくなります。
★読み手の疑問を想定し、それに答える
わかりやすい文章を作りたいと思ったときには、「文章を読む人が抱くと思われる疑問を、先回りして解決する」というテクニックがあります。
疑問を提示し、それに対する解決策を続けて提示することで、読む人に納得感を与えられます。「なるほど」と思わせることができれば、「もっと読みたい」という気持ちを刺激できることでしょう。このときの「疑問」は、読み手にとって共感しやすい題材を選ぶことが大切です。どんな疑問を挙げると効果的か、じっくり考えてみてください。
★不必要な情報は、できる限り削る
文章力を高く見せるためのコツは、「一つの文章の中に情報を盛り込み過ぎない」ということです。目指すべきはむしろ逆で、「できるだけシンプルに、短い文章」を目指した方が、「デキる」雰囲気は強くなります。無意識に文章を作成したら、「どうしたら余分な情報を削れるのか」について、検討してみるのがオススメです。
文章力を高めれば、ビジネスにおいても多数のメリットが期待できます。苦手意識を持っている方も多いかもしれませんが、ぜひスキルの向上を目指してみてはいかがでしょうか。