「子供の脳力アップ」と聞いて、あなたはどんな印象を思い浮かべますか? 「賢い子供を育てるため」「お受験対策」なんてフレーズを思い浮かべると共に、「うちには関係ないわ」なんて、安易に判断してしまっている方も多いのかもしれませんね。しかし幼児期における脳力アップは、「お勉強関連」だけではなく、子供自身の「生きる力」を高めるために非常に重要なポイントとなります。
幼児期は、子供の育脳にとって、特に重要な時期だと言われています。具体的にどのようなポイントを意識して、育脳を行うと良いのでしょうか。年齢別に紹介します。
【年齢別】効果的な育脳メニューを紹介! どのように育脳を行うと良いの?
育脳は、子供の発達に応じて、ピッタリの方法を選んで行うのが効果的です。年齢別にオススメの方法をまとめるので、ぜひ子供の様子を見ながら、育脳を進めてみてください。
<0~1歳>
0~1歳の赤ちゃんにとっては、まず「基本的な生活を整えること」が一番の育脳になります。ぜひ以下のポイントを意識してみてください。
- 朝日を浴びる
- 子供が自由に動ける環境を作る(ダメを言わなくてもOKな環境)
- 子供の声に反応し、気持ちを代弁する
- 子供がなぜ泣いているのか、理解しようとする
0~1歳は、お母さんから生まれた赤ちゃんが、大きく成長していく時期です。赤ちゃんと丁寧に関わり合いながら、生活習慣を整えていきましょう。「まだ理解できないだろうから」と単純に考えるのではなく、積極的に語り掛けることも、大切な育脳メニュー一つです。
<1~2歳>
多くの子供が歩き出し、そして好奇心を爆発させていく時期でもあります。この時期の育脳では、以下のようなポイントを意識してみてください。
- 手づかみ食べをさせる
- 一人遊びは手を出さず見守る
- 興味のあることには、子供が満足するまで付き合う
- どんなものでもおもちゃにして、まずは親が面白がっていることを見せる
日に日に赤ちゃんっぽさが抜けていく時期ですが、まだまだ意思疎通が難しいことも……。とはいえ、子供の好奇心を芽生えさせ、そしてそれを邪魔しないことが、育脳におけるもっとも大切なポイントとなります。
<2~3歳>
世間的には「イヤイヤ期」とも呼ばれる2~3歳の時期は、親にとっては「厄介な時期」というイメージも強いのかもしれません。しかし子供がイヤイヤするのは、脳が発達してきたからこそ。上手な関わり方で、子供の脳力を大きく伸ばしていきましょう。
- 見立て遊びの主導権は子供に与える
- 2キロを目安に散歩をする
- 自然を五感で楽しむ
- 食事中に遊び始めたら、ごはんはおしまいにする
2歳になると、積み木を車に見立てたり、ぬいぐるみを赤ちゃんに見立てたりして遊ぶようになります。まだうまく遊べないときには、親が一緒に遊んであげましょう。ただしこのときの主導権は、「子供にある」ということを忘れないでください。
また2歳の子供は、2キロ程度歩けると言われています。たくさん散歩をすることで、自然を楽しみ、親子の会話も膨らむことでしょう。幼い時期の経験が、大きくなってからの知性にもつながります。
<3~4歳>
3~4歳になると、これまでよりも「言葉」で思いを伝えられるようになってきます。こんな時期だからこそ、ぜひ「言葉」による働きかけを意識しましょう。
- 「3」までの数を数えてみる
- 「大きい」「小さい」「厚い」「薄い」など、大きさ比べを楽しむ
- いろいろな味を経験させる
- お手伝いをしてもらう
子供が「数」の概念を理解し始めるのは、この時期からだと言われています。日常生活の中に、ごく自然に数字を取り入れることで、子供の数学的センスを磨いていきましょう。またお手伝いも、子供の育脳には非常に効果的です。子供用の包丁やエプロンを用意すれば、お料理のお手伝いも可能です。
<4~5歳>
この年代になると、多くの子供たちは保育園や幼稚園で集団生活をスタートさせています。小学校入学を前に、育脳にも力を入れたい!という方も多いことでしょう。
- パズルやなぞなぞなど、考える遊びを家族で楽しむ
- 丁寧に読み聞かせをする
- 今日何をしたのか、子供自身に話してもらう
- 子供の質問に対して、真剣に向き合う
4~5歳の子供たちは、「思考力」を大きく伸ばしていきますから、ぜひこの分野に働きかける行動を意識してみてください。遊びで取り入れるのも良いですし、「自分で考え、話す」という訓練をさせるのもオススメです。
また、この時期になると、短い本であれば自分で読める子供も出てくるでしょう。こうした時期だからこそ、積極的に読み聞かせを取り入れることで、子供の興味・関心を高められます。
子供たちの脳をしっかりと成長させていくためには、0歳から5歳までの働きかけが非常に重要だと言われています。もちろんそれ以降も脳は発達していきますが、そのスピードがゆっくりになってしまうからです。0歳のころから、育脳のためにできることはあります。ぜひ毎日の生活の中に、自然に取り入れてみてください。
参考文献
- 七田眞(2004年)『子どもの脳は6歳までにゆっくり育てなさい』中経出版
- 主婦の友社編(2017年)『0~3才 育脳まとめ。』主婦の友社